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選挙特番の時間切れで、石丸伸二氏に質問できなかったこと 市長時代の名誉棄損裁判で敗訴、賠償金も命じられ…

13時間前
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 SNSでよく見かけるものに「○○に政治を持ち込むな」とか、政治に関して語ると「思想が強い」と揶揄する言葉がある。使い方の是非はともかく“政治”を忌避したい人が多いことに気づく。それでいうと、もしかして連動しているのでは? と思ったのが東京都知事選での石丸伸二氏である。

 まず最近の石丸氏について振り返ろう。7日に投開票がおこなわれた東京都知事選の選挙特番で、石丸氏による社会学者の古市憲寿氏や元乃木坂46の山崎怜奈氏に対する態度が注目された。質問に答えない、強権的な振る舞いを生放送で披露したのだ。

6月17日、記者会見する石丸伸二氏 ©時事通信

 11日のテレビ朝日系の番組では山崎氏の質問を「前提が正しくない」とかわしたことについて「女こどもに容赦するのは優しさじゃない」「(頭を)ポンポンとやってあげる感じがよかった? それも失礼ですよね」という価値観を披露する。公人を目指した(公人でもあった)人物への批判は大きかったが、しかし選挙期間中に候補者へのインタビューや討論会をガンガンやっておけばもっと早く人物像が広く共有されたのでは?とも思う。

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選挙当日、ラジオの特番で石丸氏を“体験”した

 実は私も石丸氏を選挙当日に“体験”していた。TBSラジオの選挙特番に出演していたのだが、番組中盤で石丸氏とリモートでつながった。MCを務める荻上チキ氏が「今回の都知事選挙、手応えを感じたと先ほど発信もされていましたが、特にどんな点、手応えを感じた選挙だったのでしょうか?」と質問すると、石丸氏は「うん? どのくだりの話をされてらっしゃいます?」。荻上氏が具体的に説明して改めて問うと「なんか違うニュアンスで聞かれてます?」。

 こんな感じが続いたのだ。続いてライターの武田砂鉄氏が石丸氏の著作のある言葉について質問すると「失礼ですが、本当に熟読されました?」。私は武田氏の隣にいたが本には付箋がびっしりと貼られていた。本番前にも武田氏からその箇所について聞かされていて戦慄していたほどだ。

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