一番残念なのは、一度でも年金を受け取って亡くなった場合。たとえば75歳から年金を受け取ろうと思っていた人が75歳1カ月でなくなってしまったような場合。この場合は、年金は1カ月分しかもらえません。
いかがでしょうか。具体的な数字が見えると、どうすべきか決めやすくなるのではないでしょうか。
年金の繰り下げが向いている人とは
私自身は、少しでも若く元気なうちにもらいたいと思っています。
というのも、私たち世代は小さいころから添加物の入ったものを食べていたり、今の高齢者よりも健康寿命が短いのではないかと思うからです。
身体が動かなくなってから高額な年金をもらっても、逆に税金や社会保険料・医療費の自己負担割合が増えるだけ、という可能性もあるわけです。
また、もらった年金を自分で運用して増やすというのもアリだなと思っています。
ただし、会社に勤めながら年金をもらう場合は注意が必要です。給与と年金の合計額が50万円を超えると、超えた分の半分がカットされてしまうからです。カットされた部分の年金は後から取り戻すことはできません。
「長生きする自信がある!」「70歳まではバリバリ働く」「年金をもらうまでは自分の預貯金で生活して、それ以降は増やした年金で生活する」という人は繰り下げが向いているといえます。
共働きの妻が繰り下げをするなら、基礎年金を繰り下げる
共働き夫婦で、夫よりも妻の方が「長生きしそうだ」という場合に、繰り下げをするなら、妻の基礎年金を「繰り下げ」るのが有利かもしれません。会社員だった夫が先に亡くなると、妻は自分の「老齢厚生年金」か夫の「遺族厚生年金」のどちらかを選ぶことになります。
妻の老齢厚生年金のほうが少なかった場合、夫の遺族厚生年金を受け取るのが有利です。妻が老齢厚生年金を繰り下げて増額していたとしても、その効果を得られる期間が短くなってしまうので、基礎年金のみを繰り下げたほうが有利なのです。