マイナンバーカードの相次ぐトラブルに、岸田首相が「マイナンバー情報総点検本部」を設置し、マイナンバーカードの取得者向けの専用サイトで閲覧可能なすべてのデータ29項目の情報を、今年秋をめどに総点検します。
ただ、この総点検では、漏れている大切なものがあります。それは、皆さんの大切な老後の命綱の「年金」です。
他人の年金情報を閲覧できるトラブルが発生
マイナンバーと基礎年金番号は全く違うもの。マイナンバーは国民全員につけられている12桁の番号。いっぽう年金は、10桁の番号で管理されます。ですから、関係ないと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、マイナンバーカードでできることはいろいろあります。
カードを提示すれば年金に関する相談や「マイナポータル」で年金記録の照会ができ、また各種手続き・届出もできます。さらに、マイナポータルで、年金など公金の受け取り口座を登録することができます。
実はこのマイナポータルで、他人の年金情報が紐づいていて閲覧できるというトラブルが発生しました。一昨年末に、年金を受けとる年齢に達した共済組合の女性が、旧姓の名字を誤って入力され、同姓同名でしかも生年月日も同じ人の年金情報が紐づけられてしまったというものです。
総務省の担当者は「旧姓と現在の名字が非常に似ていて、誤入力してしまった」といいますが、一件でもこうした誤登録が発覚すると、他にも同じようなトラブルがある可能性が出てきます。