主将の古賀紗理那が「目標は絶対メダル」と意気込む女子バレーボール。1次リーグ初戦は世界ランク4位のポーランドに1-3で逆転負けを許したが、1日はブラジル戦、3日はケニア戦に臨み、決勝トーナメント進出を狙う。
眞鍋政義監督が指揮する日本チームの“戦略”、さらに、注目すべき選手とは? 現役時代はセッターとしてチームの司令塔を務め、現在は日本代表の監督付戦略アドバイザーを務める竹下佳江さんに、話を聞いた。(全3回の1回目/つづきを読む)
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女子バレーが2年間でここまで強くなった理由
――女子バレーが強い。今年5~6月に行われた国際大会・ネーションズリーグで銀メダルを獲得しました。眞鍋政義監督が率いる日本代表が実質的に発足したのが2022年5月。東京五輪では1次リーグ敗退だっただけに、ほんの2年間でこれだけ成長したことにびっくりです。強くなった理由は何ですか。
竹下佳江さん(以下、竹下) 一言では言い切れないほどたくさんあります。選手個々の意識の高さ、妥協のない技術の追求、戦略に裏打ちされた無駄のない練習、そしてやっぱり眞鍋さんの監督としての力量ですよね。
眞鍋さんは自分の足りない部分や苦手な部分を知っていて、そこにその道のプロとも言うべき適任者を、スタッフとしてどんどん採用しました。
眞鍋監督は「褒めたり、時にはディスったり」
――確かにスタッフには、バレー技術関連のコーチだけじゃなく、情報戦略兼ハイパフォーマンスアナリストや情報戦略兼アナリスト、戦略コーディネーター、あるいは情報戦略アドバイザーなど「どこのコンサルタント会社?」と錯覚するような人材が揃っています。
竹下 とにかく最先端の情報をいち早く取り入れようとしますね。時代は刻一刻と進むので、戦術や戦略、あるいは分析・解析に関するIT技術は取りこぼさないようにしていると思います。あの年齢(60歳)になっても、学び続ける姿勢には頭が下がりますね。
また、眞鍋さんは選手たちだけでなく、スタッフが自由に自分の能力を発揮できるような環境を作るのが上手い。まあ、コミュニケーションモンスターというか、選手やスタッフの状況を勘案しながら褒めたり、時にはディスったり……。ホント、人の使い方が上手いなというか、いわゆるモチベーターですよね。