主将の古賀紗理那が「目標は絶対メダル」と意気込む女子バレーボール。1次リーグ初戦は世界ランク4位のポーランドに1-3で逆転負けを許したが、1日はブラジル戦、3日はケニア戦に臨み、決勝トーナメント進出を狙う。

 現役時代はセッターとしてチームの司令塔を務め、2012年のロンドン五輪では銅メダルを獲得した竹下佳江さん。現在は日本代表の監督付戦略アドバイザーでもある竹下さんに、今大会の見どころや指導する中で感じた“日本女子バレーの変化”について聞いた。(全3回の3回目/はじめから読む

竹下佳江さん ©Atsushi Kondo

◆ ◆ ◆

ADVERTISEMENT

「強豪国にも勝つ可能性はある」パリ五輪の見どころ

――女子バレーのテレビ中継は竹下さんが解説されるんですよね。

竹下佳江さん(以下、竹下) はい。全試合やらせていただきます。やりたかった仕事の一つだったので、お話をいただいたときは嬉しかったですね。

 パリ五輪の見どころはたくさんありますが、日本はディフェンスを強化して挑むだけに、ラリーの面白さを堪能していただければ。ラリーを制するって、本当にゲームを制するぐらい価値があるし、チームにも勢いを持たせてくれる。相手をイライラさせておいて、アタック陣が射るようなスパイクを打ち込めば、強豪国にも勝つ可能性はあると思います。

マッチポイントで勝ち切るための練習をしてきた

――ネーションズリーグの時もそうですが、マッチポイントになった時、日本は勝ち切れるようになりましたよね。

竹下 それは、2023年秋に行われたパリ五輪予選兼ワールドカップで屈辱的な経験をしたからです。8チームで争われるプールBの日本は、上位2カ国に入れば五輪の出場権が獲得できた。最終戦までにトルコが1枠を確定させていたので、残る1枚は日本とブラジルの直接対決。フルセットまでもつれこんだけど、日本はギリギリのところで、ブラジルに跳ね返されてしまった。

 その反省を踏まえ、代表合宿の時は18対18からスタートする試合形式の練習を懸命にやっていました。マッチポイントになった時に、勝ち切れるかどうかで全然景色が違うので、敢えて譲れない場面からスタートする形式を取り、課題を見つけ是正するという密度の濃い練習を重ねていました。

 そういう練習で身に付いた引かない気持ちみたいなものが、みんなに醸成されたんだと思います。ただ五輪では、強豪国の多くが他の国際大会とは違う顔をしてコートに立ちます。それでも競った場面で日本は絶対に怯むことはないと思います。