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東京五輪の悔しさが今の古賀を作り上げた

――確かに今年ネーションズリーグの時、世界ランキング1位(当時)のトルコにフルセットで勝った試合や強豪の中国を下した時、古賀選手の「絶対にひかない」というプレーに胸が締め付けられました。

竹下 みんなを安心させられるような頼もしい存在になっていますよね。東京五輪の時のケガや、いろんな困難を乗り越えてその悔しさが今の古賀選手を作り上げたんだと思います。自分のプレー以上にチームのことを考え、みんなを安心させられるような頼もしい存在になることが、自分の存在意義と考えているんでしょうね。

ネーションズリーグでスパイクを決める古賀 ©時事通信社

 繰り返しになりますが、相手からサーブで狙われ続けようが、古賀は絶対に崩れないという安心感があるから、リベロを2人選出できたんですよ。

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パリ五輪限りでの引退を表明。強い覚悟を感じる古賀の“言葉”

――大エースになった古賀選手が、パリ五輪を最後に引退表明しました。まだまだ大活躍できるでしょうに残念……。

竹下 引退の決断はそれぞれの人生。色々な意見があると思いますが、私は凄くかっこいい身の引き方だと思いましたけどね。

 多分、彼女は現役最後のプレーをパリ五輪と定め、あれだけストイックに自分を追い込んできたはずですし、五輪前に発表することで、それまでお世話になった方やファンの人たちに、最後の雄姿をしっかり届けたいと考えたんでしょう。

©時事通信社

 私はロンドン五輪後に引退を発表しました。すると、多くの人から「もっとプレーを見たかった」という声を少なからずいただいた。今思えば、それまで応援して下さった方に申し訳なかったなと後悔しています。だから、古賀選手の引退発表は潔いし、これまでどれだけファンの人々を大切にしてきたかが分かります。

2012年、ロンドン五輪後の記者会見での竹下さん ©時事通信社

 五輪直前に語っていた「目標は絶対にメダルを取る。それは自信を持って、胸を張って言いたい。集大成なので、パリでハイパフォーマンスを出せるようにしたい」という古賀選手の言葉に、強い覚悟を感じます。

 その古賀選手が引退を記者会見ではなくSNSで発表したのは、時流なんでしょうね(笑)。でも、改めて会見はするかもしれないですね。