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日本人に不利な男子パークで唯一出場の永原悠路

 では最後に男子パークとなるが、これはストリートを含む他の3種目と様相が異なる。

 日本から出場するのは世界ランク17位の永原悠路のみ。スピードやエアの高さが加点対象に大きく反映される男子パークは、元来持っている身体能力も重要であると言われている。体格で劣る日本人が勝つのはかなり難しいのだ。 

永原悠路 ©︎Yoshio Yoshida 

 前回大会に出場した平野歩夢も世界ランキングでの出場は叶わず、開催国枠からだった。スノーボードハーフパイプでの実績からくる抜群の知名度で期待を寄せられていたが、世界の壁は厚かった。だが日本勢も少しずつではあるが、着実に進歩している。

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 今回出場する永原は五輪予選大会にて決勝進出を果たした経験があり、自身の持てる技を全て出し切れば、決勝進出はもちろんその先の表彰台も狙えると語ってくれている。キーとなるのは前述の「540」に、ボードに縦回転を加えた「キックフリップ540」になるだろう。

 この種目は彼より下の世代に世界のトップと対等に渡り合える逸材がゴロゴロしている。永原にはその先陣を切ってもらい、シーンをより高みへと導いてもらうことを期待したい。

 そして最後にもうひとつ。女子パークにてアリサ・トルーとスカイ・ブラウンが日本にルーツを持つと伝えたが、男子パークにも同様の人物がいる。ブラジル代表のアウグスト・アキオだ。

より集中するために滑走前にジャグリングパフォーマンスをするのもアウグスト・アキオの魅力の一つ     ©︎Yoshio Yoshida /X Games

 パラナ州クリチバ市出身でフルネームはアウグスト・アキオ・タカハシ・ドス・サントス。日本人の母を持ち、世界ランクは6位とファイナル進出の常連でもある。

 他にもスケートボードの本国、アメリカの歴史を振り返っても、実は日本と縁深い関係にある著名スケーターは多い。スケートボード界のスーパースターであるナイジャ・ヒューストンも、祖母が日本人であることは、知られた話である。

 男子・女子ともに誰の手にメダルが渡るのか。前回大会同様、新しい時代を目撃することはできるのか。スケートボードパーク男子は8月7日から開幕する。