東京五輪でスケートボードは計5個のメダルを獲得し、快進撃を見せた。メダルの獲得という観点でみれば、パリ五輪でも最注目競技のひとつと言える。
なぜなら日本は予選大会を通じてどこよりもハイレベルな代表権争いを繰り広げてきた国であり、出場するだけで「メダル候補」といえるほど充実した陣容を誇っているからだ。
ここではその根拠と言える各種目の世界ランクをベースに、注目選手や見どころ、メダル争いに焦点を当てていきたい。
層は厚いが大本命は不在
その前にまずはパリ五輪におけるスケートボード競技の出場枠から話していこう。
フランスへの開催国枠と、国際オリンピック委員会(IOC)の三者委員会で決定されるユニバーサリティ枠を除いた80枠を本大会までに行われたストリート9戦、パーク6戦の合計ポイントで争ってきた。
ここでポイントとなるのが1国あたりの出場可能人数で、男女各3名までとなっている。このレギュレーションの場合、強豪国ともなると世界ランクトップ10に入っていても出場を逃してしまう選手が出てくるのだが、日本はその典型例となっているのだ。
まず最注目競技である男子ストリートから見ていくと、世界ランク1位に小野寺吟雲(おのでらぎんう・14)、2位に白井空良(しらいそら・22)、3位に堀米雄斗(ほりごめゆうと・25)とトップ3を独占しているので、これだけで出場枠が埋まってしまう。他にも5位に根附海龍(ねつけかいり・20)、10位に佐々木音憧(ささきとあ・17)とトップ10に5人もランクイン。さらに17位には青木勇貴斗(あおきゆきと・20)もランクインしている。
スケートボード発祥の国であるアメリカですらトップ10に3人しかランクインしていないのだから、いかに層が厚いのかがおわかりいただけると思う。
となると、当然メダル独占への期待も膨らむが、実情はそう簡単にはいかないだろう。