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2021年の「言葉」

「ゴン攻め・ビッタビタ」で大注目のスケートボードは、2年後のパリ五輪も目指せるのか《日本選手権では、12歳が初優勝も…》

2022/01/17

 初種目であるスケートボードで、5つものメダルを獲得した東京五輪から4ヶ月後の昨年12月、コロナ禍を挟んで、およそ2年半振りに日本選手権が開催された。実際に競技が行われた茨城県に足を運んだ筆者だが、そこで目にした光景は、驚くものばかりであった。

赤間凛音選手 ©Yoshio Yoshida

 東京五輪女子ストリート・金メダリストの西矢椛(14)を抑えて優勝したのが、彼女よりもさらに若い12歳の赤間凛音選手だったのだ。そして女子パークでは、13歳の草木ひなの選手が、五輪で岡本碧優らが見せていた大技、バックサイド540を成功させて、優勝を飾っている。

 東京五輪で、最年少金メダリストと言われていた西矢選手よりもさらに下の世代が、確実に力をつけているのである。

左から西矢椛、赤間凛音、伊藤美優 ©Yoshio Yoshida

 男子パークにしても、スコア上は22歳の笹岡建介の圧勝に終わったが、決勝進出者の大半が10代前半だったことを考えると、スピードとエアーの高さが点数の評価基準となるこの種目では、若年層が年齢とともに体格が成長してくれば、脅威となることは間違いない。

 決勝が結露により中止になってしまった男子ストリートも、10代半ばから後半にかけての新たな世代が、五輪以降も世界を舞台に活躍し始めている。

 もちろん堀米雄斗といった東京五輪の主役選手も健在ではあるが、このように次々と新たなスター候補が誕生する現状から、日本は、世界的に見て最もコンテストに強い国のひとつと言えるだろう。

瀬尻稜プロ ©Yoshio Yoshida

 東京五輪後、堀米選手のInstagramのフォロワー数は140万人を超え、その影響でスケートボードを始める人が増えている。またTVでは、五輪で活躍したプロスケーターたちの姿が何度も放送された。一昔前までアウトサイダーだったスケートボードが、我々の日常に溶け込みつつあるのだ。

 では、なぜスケートボードはここまで盛り上がったのだろう。