東京五輪では、金メダル、銅メダルを獲得した女子スケートボードのストリート。日本史上最年少の五輪金メダリストになった西矢椛選手は「13歳、真夏の大冒険」のフレーズとともに注目された。
あれから3年。男子と比べてスケートボード女子ストリートは、早くも新時代の幕開けとなっているのかもしれない。
前回金メダリストがまさかの落選
最終的な世界ランクは1位に吉沢恋(よしざわここ・14)、2位に赤間凛音(あかまりず・15)、4位に中山楓奈(なかやまふうな・19)となり、ここまでが出場権を獲得。
以下、5位に織田夢海(おだゆめか・17)、7位に西矢椛(にしやもみじ・16)、9位に伊藤美優(いとうみゆう・17)と、トップ10に6人全員がランクイン。ここで多くの人の注目を浴びたのが東京五輪の金メダリスト、西矢椛の落選だろう。
彼女は、3月まで行われていたフェーズ1の大会で1位をキープしていたが、人数が絞られ、獲得点数が格段に跳ね上がったフェーズ2で2戦とも準決勝敗退に終わってしまい、日本勢5番手に。
昨年末に開催された有明での世界選手権で共に表彰台に上がった織田夢海も前回に続き直前で出場権を逃している。女子は男子以上に激しい代表権獲得レースであったことがわかる。
ただ西矢は元々映像作品制作の方でも積極的な動きを見せているので、ファンの方は今後披露されるであろう彼女のスムーズで華麗な滑りを収めたビデオパートに期待してほしい。
そして彼女たちに代わって逆転で出場権を獲得したのが14歳の吉沢恋。五輪予選最終戦のブダペスト大会で、吉沢が土壇場で初めてメイク(成功)したトリックは西矢椛の持つ最高峰のキラートリックのひとつだったのだ。
最近ではあまり見ることはなかったものの、偉大な先輩のキラートリックを土壇場で、しかも初めて成功させたことで優勝。そして世界ランク1位に繋がり、パリ五輪へ。
その知られざるドラマに、上り調子だった3年前の西矢の面影をどことなく感じた。勢いは間違いなくNo.1といえる彼女。パリ五輪でも優勝を飾ろうものなら、女子も新時代へと突入することになるだろう。