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絶海の孤島・青ヶ島在住の40歳女性が語る、“日本一人口が少ない村”の都知事選事情「ポスターを貼りに来た支持者が島から出られなくなって…」

絶海の孤島・青ヶ島の知られざる日常 #1

genre : ニュース, 社会

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 また、八丈島と青ヶ島の間を運航しているヘリコプターも、島しょ9町村と東京都が設立した「公益財団法人東京都島しょ振興公社」の委託のもと、東京の島々を結ぶ交通手段として運営されています。厳しい天候の影響で、連絡船の就航率が5~6割しかない青ヶ島では、このヘリコプターが島外に行くための重要な交通手段となります。

 このように、都や国の事業によって、島の交通・輸送手段が成り立っています。そしてそれによって、自分たちの生活が支えられていることを実感しているからこそ、青ヶ島の人たちは都政への関心が高いのだと思います。

連絡船で物資が運ばれてくる
青ヶ島のヘリポート

青ヶ島で一番最初に選挙ポスターを掲示した候補者は…

 連絡船やヘリがあるとはいえ、やはり青ヶ島は交通の便が良いとは言えません。その不便さは、選挙運動にも関わってきます。

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 先日、青ヶ島の選挙ポスター掲示板の写真をXに投稿したところ、1700万回以上のインプレッションがありました。6月20日の告示日に掲示板の写真を投稿をしたのですが、その時点で貼られていたのは、小池百合子さんのポスターのみでした。

 しかしその後、蓮舫さん、石丸伸二さん、清水国明さん、安野貴博さん、計5名の候補者のポスターが期間中に掲示されました。

 小池さんくらいになると、青ヶ島のような小さい村にも支持者がいるので、告示日に合わせてポスターを貼ってくれる人がいたのでしょう。でも、他の候補者はそうはいきません。支持者が青ヶ島まで来てポスターを貼るか、青ヶ島にポスターを送って、島内の誰かに貼ってもらうことになります。

島しょ部での選挙活動の難しさ

 ただ、何度も言うように青ヶ島は交通の便の悪い島です。ポスターを貼りに来ただけの支持者が島に数日閉じ込められたり、連絡船の運休が続いて選挙期間中にポスターが届かなかったりすることもあります。

 ちなみに、ある候補者のポスターは、支持者の方が青ヶ島まで貼りに来ていたのですが、悪天候の影響で連絡船の運休が続いて帰れなくなり、予定より3日ほど長く滞在することになったそうです。