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不適切なオンライン診療を見抜くためのポイントは?

 望まれるのは、不適切なオンライン診療が淘汰され、健全なオンライン診療が広がることだが、健康被害・トラブルが減る気配はない。私たちはどうすれば不適切なオンライン診療から身を守ることができるのか。

 宋医師、磯崎医師が不適切なオンライン診療を見抜くためのポイントとして挙げるのは「診察する医師の所属」と「副作用などで困ったときに受診する医療機関」の確認だ。磯崎医師は場合によっては「相手が本当に医師資格を持つ医師なのかどうかも確認した方がいい」と指摘する。

「日本医師会が発行している顔写真付きの医師資格証というものがあります。厚労省のガイドラインには、オンライン診療を行う際は『医師免許を保有していることを患者が確認できる環境を整えておくこと』と記載されているので、疑わしい場合は医師資格証を見せてもらうのがいいと思います。信頼できる先生かどうかを直感で判断することも大切です。普通の診察室で一対一で話すような感じで不安に思うことを尋ねて、本当に自分のことをよく考えて診療しているかどうかを確認するといいでしょう。『具合が悪くなったときはどうしたらいいんですか』『どこの医療機関にかかったらいいんですか』などと質問して、すぐにちゃんと答えられる先生を選んでもらいたいと思います」(磯崎医師)

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不適切なオンライン診療を見抜くための確認ポイント
□診察する医師の所属医療機関、医療機関の問い合わせ先が明示されているか
□本当に医師か確認したい場合は、医師資格証や医師免許証を提示してもらう
□副作用などで困ったときの受診先の医療機関が明示されているか
□基礎疾患などについてしっかり問診を行ったか
□治療のメリット・デメリットを示しているか
□本当に自分のことをよく考えて診察してくれているか

トラブル・被害に遭ったら「消費者庁などに相談して」

 国民生活センターは2023年12月、「美容医療のオンライン診療」に関する相談件数が増加しており、中でもダイエット目的のGLP-1受容体作動薬などの「定期購入」をめぐるトラブルが目立つとして注意を呼びかけた。NHKもこれを大きく報じたが、オンライン診療ビジネスの競争は今も過熱しており、利用者も増えている。

 宋医師は不適切なオンライン診療の被害に遭ったときは「消費者庁などに相談してほしい」と呼びかける。オンライン診療をめぐるトラブル・健康被害、不適切な広告などに関しては消費者庁や厚労省に相談・通報の窓口があることも頭に入れておきたい。

オンライン診療に関する消費者庁・厚労省の相談・通報窓口
〇契約に関する相談:消費者庁「消費者ホットライン188番」
〇広告に関する通報:厚労省「医療機関ネットパトロール」
 https://iryoukoukoku-patrol.mhlw.go.jp