谷 モデルとして周りの方が認めてくださったことで、段々と気持ちが前向きになっていったんです。身長が低く細身であることを、「いいね」「羨ましい」と褒めていただけるようになり、コンプレックスが武器に変わるきっかけになりました。むしろ、それを磨いていこうというアプローチに切り替えられたことは、すごい意識改革だったと思います。
撮影では、沢山の女性モデルさんの中で、男性が僕だけということがあり、そこに選んでいただいたことに対してプロ意識が芽生えるようになっていきました。ウエディングドレスのモデルをしたときは、そのブランドの会議で検討を重ねた上で僕を起用してくださったと知って、「性別関係なく、プロのモデルとして頑張らなければいけない」と自覚するようになりました。
――プライベートでも女装をするようになったのはなぜですか?
谷 モデルのお仕事で、ブランドからお洋服を沢山いただくようになったんです。全てレディースですが、とても高価なお洋服ばかりだし、自分ではあまり服を買わなかったので、普段から着たいと思うようになりました。お洋服に合わせて普段からメイクをするようになり、モデルとして向上するためにもスキンケアやメイクの研究に力を入れるようになりました。今では女性の格好をしている方が落ち着きますね。
女装を見た両親の反応は…
――普段から女装をするようになって、ご家族や、友人の反応はどうでしたか?
谷 フリーダムな両親なので、何の驚きもなく受け入れてくれました。当時は実家暮らしだったのですが、出かける前に「こっちのドレスがいいんじゃない?」とアドバイスをしてくれました(笑)。
気心の知れた友人には、最初は「気持ち悪!」と言われましたね。女装というより、すっぴんだった人が急にお化粧をし始めたことに違和感があったのだと思います。でも数日で慣れたのか、すぐ何も言われなくなりました。
以前はバンド関係など、男性の知り合いが多かったのですが、女装を始めてからは女性と仲良くなることが多いです。女装していると、女性は距離感が近くなるのですが、男性は距離を置く方が多いです。おそらく、どう接していいか分からなかったり、「不用意なことをして傷つけてはいけない」と思って一歩引いてしまうのだと思います。
――ヒゲ脱毛など、女装のためにしている美容はありますか?