谷 「パパ可愛い」と言ってくれます。他の家庭を知らないので、娘達にとっては家庭内に男性的な見た目の人がいないのが当たり前なんです。娘達はオシャレや可愛いものが大好きなので、キッズ用のドレスを着て僕と一緒に撮影するときも楽しんでくれています。ただ、ピンクが好きなので「黒いドレスは嫌だ」ということはありますが(笑)。
――幼稚園の先生達はどんな反応なのでしょうか。
谷 幼稚園の先生に奥さんと間違えられることがあります。僕のすっぴんは“おばちゃん”なのですが、マスクを着けていると先生達は僕と奥さんの区別がつかないようで「お母さん」と話しかけられることがあります。
パパではなくママと勘違いする保護者も…
――他の保護者とのお付き合いはいかがですか?
谷 関係の深い方は僕がパパだと分かっているのですが、浅いお付き合いの方は僕のことをママだと思っていることがあります。一度、あまりよく知らないママさん達と話していたとき、「実は、ママじゃなくてパパなんです」と言ってみたことがあるんです。すると3秒くらいの沈黙のあと、「……パパとしての役目も果たされているんですね」と言われました(笑)。今の時代、あまり踏み込んだ発言をしないように皆さんすごく気を遣いあっているので、逆に面白くなってしまうことがありますね。
――娘さんのお友達に驚かれたりしますか?
谷 幼稚園の行事に行くと、娘のお友達に「パパなのー?」と聞かれるので、「パパなんだよー」と言ってます。今は多様性に対する理解が広がっていて、子供達は見た目が違うことに対して悪口を言ったり、からかったりすることがないんだなと感じます。幼稚園の保護者も、海外の方が多かったり、金髪やピンクの髪をしたママやパパが普通にいますし、僕なんて全然特別な存在じゃないなと思います。
――現在46歳ですが、これから女装を続けていくことについてどう考えていますか?
谷 モデルのお仕事があるので続けていきますが、基本的には子供のことが第一なので、「ドレスを着てるパパが嫌い」と言われたら、多分着なくなると思います。そのときは、また新しい形で自分らしさの表現を探したいと思います。
――女装に関する悩みを相談されることはありますか?