文春オンライン

「ウエディングドレスを着たかったのですが…」“46歳・女装おじさん”が驚いた「意外な結婚式マナー」の壁

可愛すぎるおじさん・谷琢磨さんインタビュー #2

9時間前
note

 SNSでメッセージをいただくことはすごく多いです。女装の方が集まるイベントで直接お話しすることもあるのですが、女装と一口にいっても、そこに行き着くまでの道のりは千差万別なんです。僕のように仕事で始めた方、心の悩みを抱えている方、単に女性向けのファッションが好きな方もいます。だから1つの集団として、なかなか共感し合えないんです。

 例えば、「どうやって家族にカミングアウトすればいいですか」と相談を受けることが多いのですが、僕は元々オープンにしていたので答えてあげられなかったりします。親身になろうとはするのですが、有益な情報を与えられている実感はないです。

――一番多い悩みはどんなことなのでしょうか。

ADVERTISEMENT

 「家族に言えない」ということですね。トランクルームなどのレンタル倉庫に女装のためのお洋服やウィッグを隠して、そこで着替えているという方が多いです。「女装サロン」などの女装をするためのお店に行く方もいますが、今はAmazonなどで1000円ちょっとでウィッグが買えるので、自分で購入する人が多いです。

――女装に対する世間のイメージについて、変えていきたいことはありますか?

「女装のイメージを少しでも明るくしたい」(撮影:Lestat C&M Project)

 「おじさんだからこういう格好はしてはいけない」というのを少しでも無くして、明るいイメージに変えていくために少しでもお役に立ちたい思っています。おじさんや、お父さんという言葉をいい意味で捉えてもらいたくて、敢えてSNSでは自分のことを「おじさん、お父さん」と言うようにしています。最近、SNSのフォロワーさんから「自分もパパなのですが、家でも女の子の服を着られるようになりました、谷さんの影響のおかげです」とメッセージをいただいたことがあって、すごく嬉しかったですね。

パパになっても女装したい人が沢山いる

――パパになっても、女装をしたい人はいるんですね。

 驚くほど沢山いらっしゃいます。表立って言えないだけで、「谷さんのようになりたいです」とカミングアウトしてくださる方は本当に多いです。それが輪として広がって、世の中に認められるコミュニティになったらいいなと思っています。「女装」という言葉があまり良くないニュアンスで使われることが多いので、「女装」ではなく「おじさんが好きなお洋服を着て、好きなように生きています。みんなそれでいいんじゃないかな」と発信するようにしています。

(写真:本人SNSより)

 最近、レースをあしらった女性も男性も穿けるユニセックスな下着が発売され、人気が爆発しているんです。やはり、潜在的に可愛いものが好きな男性が大勢いるんだなと思いました。メンズファッションは色味や可愛らしさが少ないので、この流れをもっと広めてほしいですね。女性のかっこいいパンツスタイルが素敵なのと同様に、男性が可愛い格好をするのも全然ありだと思っています。今は髪型や服装が自由な企業が増えていますし、これからもっとオープンになっていくような気がしています。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

「ウエディングドレスを着たかったのですが…」“46歳・女装おじさん”が驚いた「意外な結婚式マナー」の壁

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー

関連記事