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パリオリンピックの真実

「久保建英を選ばなくて良かった」“エース不在”の日本代表がパリ五輪で次々と強豪撃破…城彰二が語る“大岩ジャパン”が決勝Tに進出できたワケ

「久保建英を選ばなくて良かった」“エース不在”の日本代表がパリ五輪で次々と強豪撃破…城彰二が語る“大岩ジャパン”が決勝Tに進出できたワケ

パリオリンピック・サッカー男子日本代表の戦い #1

4時間前
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「久保建英を入れなくて正解だった」ワケ

――日本の攻撃については、どう見ていますか?

 良い攻撃をするには良い守備からと言われるように、チームは守備からしっかり入っているし、その結果、攻撃にも人数を掛けながらいい感じで攻めていけています。

 しかも、みんな技術が高いのでボールをロストしないし、攻撃面での連係がスムーズで2列目の選手は得点力もある。攻守のバランスが良く、完成度が高いのがこのチームの良さ。今、思えばOA(オーバーエイジ)枠を使用しなくてよかったんじゃないかなと思います。

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――OA枠として期待されたヴィッセル神戸の大迫(勇也)選手や、五輪世代のエースとして期待された久保(建英)選手の不在も、今のチームを見ると問題はない。

 久保とかは、抜群に能力が高いし、みんなリスペクトするので、いたら彼に頼ってしまったり、どうしても彼にボールを集めないといけない、という意識が出てしまう。そうなると、今のチームの良さであるフォア・ザ・チームで戦えなくなり、ギクシャクしてしまう可能性も出てきます。

 今のチームには「自分たちだけで勝てるんだ」という意識の高い選手が多く、連係面もうまく機能しているので、OAや久保を入れなくて正解だったかもしれないですね。

チームが団結している ©JMPA

決勝トーナメントに向けて修正すべきポイント

――グループリーグ残り1試合のイスラエル戦は、どのようにとらえるべきでしょうか。

 日本は予選突破を決めているし、決勝トーナメントを見据えると、ここで出場時間が少ない選手や出ていない選手に試合経験を積ませる必要があると思います。決勝トーナメントになると疲労が出てくるだろうし、相手との接触などで怪我する選手が出てくるかもしれない。

 選手全員が戦える状態で決勝トーナメントに臨むためにも、イスラエル戦はターンオーバーをするべきで、それでも日本は十分に戦えると思います。

――決勝トーナメントに向けて、日本の戦い方に修正すべき課題はありますか。

 これまでの2試合を見ていて、危ないなと思ったのはセットプレーです。マリ戦ではポストに救われたけど、決勝トーナメントではより質の高いボールが入り、競り合いに強い選手が出てくる。

 ボールウォッチャーにならず、自分のマークを外さないように集中して守らないと、いくらいい試合をしていても1点取られて終わってしまう可能性があるので、修正すべきでしょうね。

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