今月26日に開幕したパリオリンピック。サッカー男子日本代表は、予選リーグでパラグアイ、マリと対戦し、それぞれ5-0、1-0で勝利。30日に行われるイスラエル戦を前に、2大会連続での決勝トーナメント進出を決めた。

 元日本代表で、現在はサッカー解説者として活躍する城彰二氏は、サッカー男子日本代表の試合をどう見ているのか。話を聞いた。

決勝トーナメント進出を決めた、パリオリンピック・サッカー日本代表 ©JMPA

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2試合で6得点・失点ゼロ、強さの理由は?

――日本は、初戦のパラグアイ(5-0)、2戦目のマリ(1-0)に勝ち、2試合でグループリーグ突破を決めました。

城彰二さん(以下、城) 正直、2試合で突破できるとは思っていなかったです。それを可能にしたのが初戦のパラグアイ戦での勝利でした。最初は相手が主導権を握り、ボールを支配されたけど、相手のペースになったところで先制点を取れたのが大きかった。

 それで相手が焦って退場者が出て、2点目が入ったところでパラグアイは完全に切れてしまった。「得点力、大丈夫か」と言われた中で、5点取れて、すべてがうまくいった勝利で波に乗れたと思います。

――マリ戦は我慢がつづき、しぶとく僅差で勝利しました。

 マリに圧倒的に押されて、チャンスを作られて、GK小久保(玲央ブライアン)のファインセーブやポストに助けられている中、ロングカウンターで仕留めたのはすばらしかった。

 ただ、勝負は紙一重で、最初のチャンスを決められていたらボコボコにされている可能性があったし、PKを決められたらひっくり返されていたかもしれない。日本は辛抱強く戦えた分、運があったのかなと思います。

GKの小久保玲央ブライアン(右)とMFの山本理仁 ©JMPA

――2試合で6得点失点ゼロ、日本の強さをどう分析していますか。

 守備力が安定しているのが大きいですね。大岩(剛)監督が守備の人なので、チーム全体として守備のやり方が非常に徹底されている。ハイラインで前線の細谷(真大)からボールを追うんですが、選手の守備の意識が非常に高くて、そのやり方がチームに浸透しています。最終ラインや小久保だけじゃなくて、全体の守備が機能しているのは、このチームの大きな特徴であり、最大の強みですね。