ただ、全体的に守備の意識が高いし、攻撃もカウンターやパスワークなどで点が取れており、攻撃に厚みが出ているので、この良さは決勝トーナメントにも活きてくると思います。
守備の規律を重んじる大岩監督の“マネジメント力”
――指揮を執る大岩監督については、どう見ていますか。
城 前評判がよくなくて、何をしたいのか分からないみたいな感じでしたが、今も攻撃面は選手の能力、個人戦術など、選手のクオリティの高さに助けられている部分が大きいと思います。
それでも勝てているのは、大岩監督が守備の原則を作って守りのベースを築いたのが大きいですね。守備の規律を重んじて全員で同じ方向を見て戦うチームに仕上げたところは、大岩監督のマネジメント力だと思います。
――選手交代など、試合での采配はどう見ていますか。
城 パラグアイ戦で後半28分に3人交代した時は、相手が1人少なく、3点リードした状況だったので、今後を見据えて選手に経験させる意味があったと思いますが、それでも2人ではなく一気に3人を代える決断を下すのは簡単じゃない。森保一監督に似て慎重なタイプかなと思っていましたが、思い切った采配ができる監督だなと思いました。
ただ、選手交代で大きく流れを変える、拮抗した試合の展開を読んでカードを切るケースがまだないので、決勝トーナメントでそういうカードを切れるのか、どんなカードを切るのか、大岩監督の勝負師としての采配を見てみたいですね。
決勝トーナメントでの活躍を期待する選手は?
――グループリーグ2試合を見た中で、決勝トーナメントでの活躍を期待する選手は誰になりますか?
城 まずは、GKの小久保ですね。身長が193センチあり、セービングの能力が高く、反応が非常に素早い。そして足元の技術も高い。五輪の舞台でも堂々とプレーしているし、存在感があります。彼がいることで最終ラインの選手もアグレッシブな守備が出来ていると思います。五輪が終わった後、間違いなく日本代表に食い込んでくる存在ですね。
DFの高井(幸大)もいい選手。相手のクロスボールをよく跳ね返していたし、スピードもある。最終ラインでは軸になっているので経験を積めば、いずれ日本代表に入ってくるでしょう。MFの藤田譲瑠チマは、局面局面ではいい仕事をするけど、消えている時間もあるので、決勝トーナメントでは攻守両面でもっと存在感を示してほしいですね。