一般道では高速道路のような罰則(違反点数1点)がないため勘違いする人も多いのだが、ベルト着用義務は一般道でも全席にある。ただし、子どもの場合、身長145~150cmを超えるまではジュニアシートの使用がマストだ。
シートベルトが正しく使える身長は車によって多少は異なるが、日本の自動車メーカーは全社、身長150cmのダミーを使ってシートベルトと衝突安全性の検証を行っているので、それ以下の身長では安全性が確認されていないことになる。それゆえ、自動車メーカーは全社、身長150cmまで使用できるジュニアシートを純正オプションとして用意している。
背もたれのないブースターシートの危険性
なお、ジュニアシートというと座面だけのブースターシートを想像する方が多いと思うが、このタイプは身長125cm、体重22kgを超えてからの使用が義務付けられている。それ以下の体格での使用は危険であるため、2017年に安全基準(ECE R44/04 S11)が改訂されている。
シートベルトが首にかかるような状態で着用すると、事故で激しい衝撃を受けた際にベルトが凶器となって頸動脈を切断し、即死する危険もある。背もたれのないブースターシートを指定体格以下の子どもに使うことはやめるべきである。
たとえ商品の説明書に「3歳~15kgから使えます!」と書いてあってもだ。(安全基準の改訂前に認可を受けた製品は体重15kgから使用できる、と記されている)
大人の安全意識が子どもたちの命を守る
ベルト着用・非着用に関わらず、乗車中の事故によって死傷する小学生は年間1万人以上に上る。
夏休みに入り、子連れで車に乗ったり、実家帰省の折に祖父母運転の車で出かけたりする機会も増えるだろう。
距離や時間関係なくチャイルドシートの正しい着用はマストである。とくに祖父母や子どもがいない親戚の車は要注意だ。乗車中の子どもに対する安全への意識が希薄なので、わが子を乗せるときには親がしっかり説明して体格に合った適切なシートを用意するか、普段乗っている車から載せ替えることを強くお勧めする。