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——でも、ちゃんと見てるということですよね。『ゴット・タレント』のプロデューサーは。

五味 現地の方に言われたんですけど、「日本のコメディアンは面白い。いろんな発想があるので、私たちは常に注目してる」と。だから、実際見てみると、コメディアンで他の国から行ってる人って意外といないんですよ。安村さんみたいな、ああいう本当にバカバカしくて笑えるっていうのはたぶん日本人しかやってないので。

アメリカの現場は日本とすべてが違った

——『アメリカズ・ゴット・タレント』の実際の収録はどんな感じでしたか。日本のテレビとどんなところが違いました?

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中村 すべてが違います。

五味 もちろんアメリカのよさもすごくありますが、やっぱり日本で生きてきたので、あらためて日本人ってほんと素晴らしいなと思いましたね。まず、日本だと何時にリハ、何時に収録……とかスケジュールが細かく決まってるじゃないですか。でもアメリカの場合は「8時に来て」だけメールでピュッと来て。

——え?

五味 「明日本番だけど、この感じで大丈夫?」っていうぐらいアバウトな。「そこでいろいろ撮ります」と書いてあって、8時に行ってはみたもののなかなか始まらない。「あれっ、撮るって書いてあったけど、本当に大丈夫かな」って。

中村 だんだん不安になってた。

五味 ひたすら待機してたよね(笑)。でもそれがアメリカのやり方なので。それでうまくいってるからいいんだなと思うんですけど。僕はそこがほんと新鮮でしたね。

©山元茂樹/文藝春秋

中村 今日の取材も「16時から」って言われてほんとドキドキしてた。文春がアメリカンな会社だったら……。

五味 僕ら待機する気ではいたんですよ。

中村 6時間ぐらいは全然待機します(笑)。

しょうもない芸をしたらブーイングが起きる恐怖

——しかしすごい経験されたんですね。

五味 面白いです。よく『ゴット・タレント』の演出で、出場者がスタジオに入っていく、PVみたいなシーンの撮影があるじゃないですか。それを撮るってなって、バーッと行ったら、カメラマンさんが「ハーイ」って言いながらリンゴ食べてたり。

——アメリカンだ(笑)。

五味 それが当たり前でしたね。すごい不思議。

——視聴者からするとすごく緊張感がある現場なんじゃないかと思ってました。