世界的人気番組『アメリカズ・ゴット・タレント』で日本人コメディアンとしては異例のゴールデンブザー(審査員特別賞)を獲得したシューマッハ。彼らが犬のかぶり物ネタを武器に『笑っていいとも!』でプチブレイクを果たしたのは2012年のこと。しかし思っていたような成功の日々ははるかに遠く、二人の前に立ちはだかっていたのは吉本の劇場ヒエラルキーだった。
仕事がなくなる不安を抱えながらも、彼らはなぜ吉本を離れたのか。揺れ動くシューマッハを支えたあの日のタモリの一言、名だたる“一発屋芸人”を抱えるサンミュージックを新事務所に選んだ理由とは。(全3回の2回目/続きをよむ)
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漫才師になりたい。M-1を獲ろうと思って吉本に入った
——お二人が芸人を目指されたきっかけはなんでしたか。
中村竜太郎さん(以下、中村) 僕は小学生の頃爆笑問題さんに衝撃を受けて、絶対この人たちみたいな漫才師になりたいと。中学の時にM-1グランプリが始まって、高校卒業したら20歳ぐらいでM-1を獲ろうと思ってました。で、大学に行きながら吉本の養成所に通い始めて……まあ、いろいろあってこういう芸風になりましたけど(笑)。
五味侑也さん(以下、五味) いろいろね。
中村 漫才難しい。
五味 僕も人を笑かすのがすごく好きだったんですけど、別にお笑い芸人になろうとは思ってなかったです。ただ中学生の時に、フジテレビの女性アナウンサーにはまってしまって。トークライブにも行ってたんですよ。
——ガチのファンじゃないですか。
五味 女性アナウンサーのトークライブを『お台場冒険王』でやってたんですよ。当時は『お台場どっと混む!』だったんですけど。
——夏休みのテレビ局イベントですね。
五味 そこからだんだんとフジテレビにハマりだして。フジテレビクラブも入ってました。さらに『はねるのトびら』に出ていたインパルスさんやキングコングさんを見にルミネtheよしもとにも行くようになって。
漫才師がワーッとあれだけ人を笑わせておいて、最後クールに「ありがとうございました」ってハケるのを見て、「俺、これやりたいやつじゃん」って、ズキュンと来てしまいました。お笑いをやれば高島彩さんに会えるかもしれないし。
——そこに戻ってくる(笑)。
五味 中野美奈子アナと高島彩アナが大好きで。CD全部持ってます。
中村 今も仕事の時、女性アナウンサーさんがいる時だけ、やっぱりパフォーマンスが上がりますよ(笑)。
——もともと違うコンビを組んでいて、解散して、シューマッハ結成。2人でやっていこうと思った決め手はなんだったんですか?