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違うコンビを組んでいた2人が、シューマッハを結成するまで

五味 養成所の時から年齢も一緒なので仲良かったんですけど、その時から組みたいと思ってたんですよね。ズキュンときて。

——またズキュンときた(笑)。

五味 養成所で僕が2組で彼は4組、たまにすれ違うんですよ。クラスの入れ替えとかで。その時にずっと目で追っていた。

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——目で追うほど……。

©山元茂樹/文藝春秋

中村 僕はそれこそ爆笑問題になりたかったから、知的な漫才をしたくて。当時の相方は早稲田大学に通っていたので、「よし、できるぞ」と。学歴で相方を選ぶという、浅はかな。

五味 でも、あるよね。当時、選択肢がないもん。

中村 それで漫才を6~7年やってたんですけど、なかなかうまくいかなかった。それで今度はコントを作ったんですよね。僕が犬のお面をかぶって犬になるコント。ネタを考えながらああでもないこうでもないって、寝っ転がりながら犬のお面をグルグル回してたんですよ。そうしたら、相方が「ちょっとお尻上げてみて」って。それがちょうど犬のかたちになったんです。ライブでやったらメッチャウケた。

——動物かぶり物ネタ誕生の瞬間。

©山元茂樹/文藝春秋

「犬とかラクダとか極めない?」「そんな恥ずかしいことできない」

中村 その次の週ぐらいに『笑っていいとも!』の「ウルトラソウル選手権」っていう若手芸人が一発芸を披露するコーナーのオーディションに行ったんです。もともと自信があった「でんぐり返ししながらチャーハンを食べる」っていうネタを携えて。でもチャーハンが散乱しただけで全然ウケなくて。

 で、急遽「すいません、もう一個あります!」って、一応保険で持ってきてた全身タイツと犬のお面をつけてネタやったらすげえウケた。

——『いいとも』で犬のネタを見たときのこと、覚えてます。逆さ四つん這いになって犬を表現するのが衝撃的で。しかしチャーハンの保険だったとは。

中村 そうなんですよ。それで次の週から『いいとも』に毎週出るようになるんです。それで当時の相方に「これから犬とかラクダとかシマウマを極めていかない?」って言ったら、「ごめん、俺はそんな恥ずかしいことできない」って断られて。

『アメリカズ・ゴット・タレント』YouTubeチャンネルより

——爆笑問題を目指していたのに突然「犬とかラクダとかシマウマを極めない?」って言われたらそうなるかもしれない。

中村 そう(笑)。その辺から方向性が変わってきて、解散したんです。そうしたら、ほぼ同時に五味君も解散してた。

五味 ちょっと待って、ちょうど解散したから「じゃあ、こいつでいいや」っていう感じ?

中村 いや、僕らがお笑いを始めた時代はダウンタウン、爆笑問題、とんねるず、ウッチャンナンチャン……コンビで天下を取るっていうのが主流だったので。当時26歳で、コンビを組んで夢を目指す最後のチャンスだと僕は思った。

 五味君とはずっと友達で気が合ってたので、このチャンスを逃したら、子どもの頃から描いていた「爆笑問題みたいになりたい」という夢が一生叶わなくなるなと、このチャンスにかけた感じです。誰でもいいわけではもちろんない。