――大腸の内視鏡手術と並行して、2月5日からついに抗がん剤治療と放射線治療が始まったんですよね。

見栄晴 実際、いろんな検査や治療が一気に進むから本当にわからないことだらけだったんですよ。検査もCTとかPETとかあるし、放射線治療は計35回、抗がん剤は計3回……とか、一気に説明を受けてても、ずっとどういう意味なんだろう? ってわからなかった。

 抗がん剤は耳鼻咽喉科で、放射線治療は放射線科と、診療科が違うのもややこしくて理解できなかったんですよ。

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 でも、先生が「私たちはチームなので、一緒に頑張りましょう」って言ってくれて、入院すら1回もしたことがない僕にとって、それがすごく頼もしかった。それぞれの治療のペースがうまく計算されてて、7週目に全部綺麗に終わるようになっているのにも感動しました。

 

「放射線も抗がん剤も痛みはどっちもなんともない。放射線に関しては…」

――治療自体に痛みは伴うんでしょうか?

見栄晴 ううん、放射線も抗がん剤も痛みはどっちもなんともない。放射線に関しては、何をされてるのかもわからないくらい。

――時間はどれぐらいかかるんでしょう。

見栄晴 放射線は、実際当ててるのは2、3分。僕自身はただその場所に行って、上半身裸になって体を固定するお面を着けて、入るだけ。見ることもできないから、実際どういう動きしてるかも全然わからないんですよね。苦しいことがあったら押してくださいってナースコールを渡されるけど、全然苦しくないし何されてるかがわからないうちに終わる。ラスト15回は放射線を当てる幅を狭めるから、時間も短縮されますし。

 抗がん剤治療は注射かと思ってたんだけど、実際は点滴だった。抗がん剤を投入するの自体は多分1時間ちょっとで終わるんだけど、抗がん剤を投与するまでに身体に下地を作らないといけないから、生理食塩水とか利尿剤、吐き気止めの点滴もしなくちゃいけなくて、1日中点滴してるような感じでした。

――放射線治療中は外すんですか?

 

見栄晴 そのときもしたまま。点滴は退院する直前まで外れなかった。 邪魔だからストレスは感じたけど、治すためにはなんでもやらないとっていう気持ちのほうが大きかったな。

――入院中、体調の変動はどうでしたか?

見栄晴 僕はラッキーなことに、身体はすごい元気でした。抗がん剤は副作用で髪の毛が抜けるって聞いたことがあったけど、僕が入れたのはあんまり抜けないタイプだったみたいで、多少抜けたかな、くらい。放射線で髭は生えなくなったかな。

 ただ、放射線の影響で口の中が切れたり口内炎ができたりするから、みんな食欲がなくなって体重が落ちちゃうんだって。だから「体重を5キロ以上減らさないように頑張ってください」って言われてました。口から食べられないと点滴で栄養取る必要があるから、治療とは別に強制入院になるんですよ。