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リアリティを反映したいなら障害者の起用を

――ドラマや映画のなかには障害者が登場する作品が多くありますが、その大部分は健常者の俳優が演じていますよね。それについて、障害の当事者であり俳優という立場からどのようなことを考えますか?

 

古川 プロの俳優が障害のある人たちに寄り添って声を聞き、自分のなかでイメージを掴んで本気で取り組んだ作品も存在すると思います。

 ただ残念ながら、全体的には、やはり障害を負った人の人生の一部を切り取って演技をしているだけで、その前後にある当事者の人生全体を俯瞰したような演技にはなっていない場合が多いと感じますね。

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 悲劇的な出来事があったら大げさに感情を表現する、という紋切り型の反応にならない場合も実際には多く、その人の歩んできた道程によってもさまざまな感情が入り乱れるのは当然です。

 

――障害を持つキャラクターは、障害者が演じた方がベターというお考えでしょうか。

古川 単純に視覚障害者だけについて言えば、健常者が演じるとどうしても「見えている」のはわかります。実際の視覚障害者は、目の前に居るのにその人を「見ていない」かのような雰囲気を醸し出すんです。そうしたリアリティを作品に反映したい場合は、実際の障害者を起用する方がいいのではないかと私は考えています。