8月3日(現地時間)に行われた柔道混合団体決勝のフランス戦で、3勝3敗で迎えた代表戦の出場者を決める「デジタルルーレット」の結果が物議を醸している。

 この「デジタルルーレット」の導入を決めた国際柔道連盟(IJF)のマリウス・ビゼール会長に対し、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長がかつて、自身のホームページ上で〈違和感を覚えました〉などと厳しく批判していたことが、「週刊文春」の取材でわかった。

JOCの山下会長 ©文藝春秋

代表戦の階級が「男子90キロ超級」に決定

 柔道混合団体決勝では、「デジタルルーレット」の結果、代表戦の階級が「男子90キロ超級」に決定。フランスのこの階級の選手は今大会の個人戦でも金メダルを獲得した国民的英雄のテディ・リネール(35)だったこともあって、日本国内では抽選の不正を疑う声が上がり、SNSでは「ズルーレット」などと批判する声が相次いだ。

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柔道混合団体戦決勝、日本の斉藤立とフランスのテディ・リネール ©JMPA

 試合は、リネールが日本の斉藤(たつる)(23)に大内刈りで一本勝ちし、フランスが混合団体の金メダルを獲得した。

 運動部記者が指摘する。

「ズルーレット」を見つめる日本代表 ©時事通信社

「IJFは前回の東京五輪からコンピュータ抽選を取り入れ、パリ五輪からルーレット方式の演出を導入しました。キーマンは、IJFで17年間にわたり、会長の座にあるマリウス・ビゼール氏です」