「(裁判を)続けないと発信もできないので控訴するつもりです」

──何を発信したいのか

「こういう事件を起こした一人として、(一審の)裁判で全部話していくことにしたが、後に教訓にしていただきたい部分が少しある」

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 極刑を下されてショックを受けたが、死刑になった以上、何かを隠しながら生きていくのはどうかと思い、これまでの面会拒絶から一変、こうして取材を受ける心持ちになったそうだ。

 自分が起こした事件と社会との関係については、次のように答えたそうだ。

「最終的に我慢の限界を超え、自分みたいな事件を起こす人が出てくるかもしれない。どうしようもないと思います」

被害者遺族の気持ちが深く傷ついてはいないか

 私は思う。さらに裁判が続く見通しになったことで、「(控訴はせず)今回の判決を受け入れてほしいと思います」と語った被害者遺族の気持ちが深く傷ついてはいないか。

 今後発する青葉の言葉が「教訓」ではなく「無敵の人」を生むきっかけになりはしないか。そんな懸念を抱く一方、「(裁判を)続けないと発信もできないので控訴するつもりです」と語った本人の言葉に、これまでの不遇な人生を塗りつぶすかのように世間と関わりを持ちながら生きたいと強く願う、青葉の執念を見た。

(文中敬称略)