SNS上で吹き荒れる「誤審」騒動
このファウル判定はSNS上で物議をかもし、ストラゼルのシュート中、河村が接触せずにチェックに飛んでいる画像が拡散され、「世紀の誤審」と審判を糾弾する声が大量に寄せられた。その前の八村退場に至る流れもあり、英語圏でも「rigged(八百長)」といった声が一斉に投稿される。
試合後、アメリカのスポーツ誌「Sports Illustrated」は、「フランスは非常に疑問の残る判定により、日本による番狂わせを回避した」との見出しをつけた記事をリリースした。「河村がストラゼルに触れているようには見えない」とし、さらに八村を退場に追いやったアンスポーツマンライクファウルについても「不可解な判定」と評したうえで、「開催国がとんでもない番狂わせから逃れる結果となった」としている。
一方で、「あれだけ距離を詰めている以上、ファウルを判定されてもおかしくない」という見方も多い。たしかに、残り10秒4点差の場面で厳しくシュートチェックに行くことは、定石とは異なる判断でもある。
ドイツの大手スポーツメディア「kicker」はこの対戦について、「大きなミスがセンセーションを阻んだ」という見出しのもと、本文で「優秀なガードの河村が、ストラゼルの3ポイントシュートの際に接触し、ファウルを吹かれるという大きな失敗をしてしまった」と評している。
国内では、バスケットボール解説者の佐々木クリス氏がTBSの「ひるおび」に出演した際、河村がファウルを吹かれた要因を2つのポイントにまとめている。1点目は、シュートモーションに入る直前、河村の左手がストラゼルの腰に触れていたこと。力の強弱にかかわらず、その左手がストラゼルのシュート動作を乱したように見えてしまう点で、ファウルを吹かれても不思議ではないとした。
2点目は、審判の目線からは河村の右手がストラゼルのシューティングハンドに触れているように見える点。たしかにリプレイをスローで確認すると、ストラゼルがシュート動作に入り腕を上げた瞬間、河村の右手が一瞬弾かれたような動きをしているようにも見える。