ニュータウンの中を歩くと、とある看板が見えてきた

 山手幹線は、松井山手駅の西側で第二京阪を跨いでいる。ちょうど京田辺パーキングエリアがあり、さらに北側には新名神高速道路と交わる八幡京田辺ジャンクション。松井山手は、高速道路ネットワークにおいては特別な意味を持つ、いわば道路交通の要衝になっているようだ。八幡京田辺インターチェンジから高速道路に乗れば、京阪神どころかかなり広範囲に向けた利便性を持っている。

 

 そうしたメインストリートとそのまわりの商業施設の他は、実に絵に描いたようなニュータウン。整然とした区画の中に戸建て住宅が建ち並ぶ。その中を歩いて線路を跨ぎ、駅の東側にやってきた。線路沿いにはマンションもあったが、戸建てばかりの住宅地という本質的なところは変わらない。

 そんなニュータウンの中を歩いていると、「京阪東ローズタウン」という看板が見えてきた。このニュータウン一帯は、京阪系列のニュータウンなのだ。

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 京阪とは、いうまでもなく大阪と京都を結ぶ関西私鉄のひとつ、京阪電鉄のこと。“ひらパー”ことひらかたパークも京阪系列の施設のひとつで、JRA京都競馬場の最寄り駅・淀駅も京阪の駅。いまや外国人観光客にも人気の伏見稲荷大社も、京阪伏見稲荷駅の近くだ。

 

 その京阪が、1990年代に開発を手がけたのが松井山手駅周辺の京阪東ローズタウン。コンセプトは「太陽と緑と健康の街」なのだとか。第二京阪と学研都市線を跨いで東から西まで広範囲に広がっていて、自治体も京田辺市から八幡市に跨がっている。

 

 松井山手駅前のフレスト松井山手店も、実は京阪系列の商業施設だ。つまり、この町はJR学研都市線の駅の町ながら、本質的には京阪の町といっていい。このあたり、ニュータウン開発のせめぎ合いの帰結、といったところなのだろうか。