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 京阪東ローズタウンの開発がはじまったのは、松井山手駅が開業したのと同じ頃。70年代から松井ヶ丘に暮らす人たちにとっては待望の新駅で、この新駅がさらなる周辺の開発を促した。松井ヶ丘のニュータウンを北に抜けると、竹藪の向こうに田園地帯があったりして、開発以前のこの一帯の面影を感じることができる。

 
 
 

 ちなみに、学研都市線は1997年にJR東西線に乗り入れるようになり、大阪都心、さらには神戸方面や尼崎駅から宝塚方面への直通列車も走るようになった。沿線は、その名の通り学研都市としての開発も進み、瞬く間に関西を代表する通勤路線になってゆく。畢竟、松井山手駅の存在感も増していった。

平成とともに大きくなった「松井山手」。令和の先に新幹線が…

 

 松井山手駅の東口に戻って来た。西口は、京阪の商業施設が目の前に鎮座する、比較的真新しい雰囲気の駅前風景だ。東口には金融機関や昔ながらの飲食店などもちらほらあって、どちらかというと古めかしさが残っている。これは、1970年代からのニュータウン・松井ヶ丘の玄関口という役割を開業時から得ていたからなのだろう。

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 いずれにしても、西口の駅前や山手幹線沿いに出れば、商業施設や飲食店に困ることはない。ついでにクルマを使えば第二京阪に新名神。そこに北陸新幹線が加われば、松井山手という町のパワーは相当のものになるにちがいない。昔から松井山手に住んだり、目をつけていた人にすれば、なかなか誇らしいことなのだろうか。

 
 
 

 と、思ってみたところで、国交省と鉄道・運輸機構が発表したルート案をよくよく見てみると、北陸新幹線の新大阪延伸までには25~28年ほどの工期を要するとされている。

 すぐに着工できるわけでもないから、北陸新幹線松井山手駅の開業は、少なく見積もってもだいたい30年後ということだ。学研都市線の松井山手駅が開業してから今年で35年。それと同じくらいの歳月の先に、新幹線駅・松井山手駅が待っている。なんだか、気が遠くなりそうなお話ですね……。

写真=鼠入昌史