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説明や言い訳は混乱し、矛盾していた

 栗田はレイテ湾に突入してアメリカ輸送艦隊と上陸拠点を攻撃せよと、直接、はっきりと命じられていた。一隻残らず全滅する危険を冒してでも進みつづけるよう明白に指示されていた。彼はなぜそうしないことを選んだのか?

 栗田提督自身と彼の支持者たちがあたえるさまざまな説明や言い訳は、はじめから混乱し、矛盾していた。彼は自分の艦隊にたいする航空攻撃がしだいに激しさと有効性を増していて、「レイテ湾の狭い水域では、艦隊が展開する余地がありません。それと比べて外海では、同じ攻撃を受けるにしても、進退の柔軟性をもった強力な戦闘部隊になることができると思います」と語った。

 彼の通信班は航空支援を要請するアメリカ軍の無線送信を傍受していたので、彼は航空攻撃がもっと激しく、もっと多くなると予期していた。さらに、帰国するための燃料を割り当てていなかった。

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「したがって、燃料はもっとも重要な問題でした。基本的な問題でした」

 栗田はアメリカ水陸両用艦隊の大部分がおそらくもう湾から引き揚げていると思っていたので、「だから以前ほど重要ではないと思いました」とつけくわえた。大和はアメリカの機動部隊がスルアン灯台の北方113海里にあるとする謎めいた報告を受け取っていた。栗田は、この触接が第三艦隊のべつの空母群にちがいないと思い、それが自分に向けて航空攻撃隊を発進させる前に砲撃の射程圏内にとらえることを願って、この触接のほうへ向かったほうがいいと考えた。