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キクリン オオクワガタ自体が、日本ではすごく新しい虫と言われています。縄文時代、6000年前とか7000年前とかに入ってきて、分布を広げ始めた可能性がある。

養老 日本で氷河期終わったのが1万2000年前。 

キクリン そこから2000年後ぐらいに、木ができ始めたんだと思うんですよね。ブナとかミズナラなどが。

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養老 東北のブナ林なんて、氷河期以降の産物です。

キクリン 森林が熟成してきて、どこかから入ってきたオオクワガタが分布していくんですけど、東北は標高が高い山間部に、西は標高が低いところにいる。西日本のブナ林にはオオクワガタはいないんですよ。東はブナ帯がメインになっているので、血統が違うんじゃないかなと思っています。もしかしたら入ってきた時期も違う。

東北のブナ帯で立ち枯れからオオクワガタを探す菊池愛騎さん ©INFINITY∞BLACK

養老 ニホンザルも、西と東が違うんだって説がありますよね。だからルーツが違うんじゃないかな。

キクリン オオクワガタは分布を広げないなんて言われていたりするんですけど、もとは分布を広げてきた。開発によって途中で絶えた場所もあり、現在では点在的にはなっているんですけど、環境が残された場所では、現在進行形で分布を広げているんじゃないかとも考えています。実際に分布を追っていった先で採れたりするので、やっぱりここまで来ているんだなって、思うことがあります。