明治天皇はたいへんな酒好きだった。しかも、けっこう面倒くさい酔い方をするタイプだった。

 そばに控える侍従に「お前は幼名を勇麿と云つた。其名に対しても酒位飲めぬことはない。是非飲め」と絡み、夜更けまでシャンパンを2本空けて酩酊し転倒することもあった。

これはたしかに泥酔不可避

 明治天皇は、酔っ払うと口元が歪み、話がもつれ、足元がおぼつかなくなった。こうなると侍従たちは、「今日は大変だ」「一寸始末に困る」と頭を抱えなければならなかった。

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 明治150年の今年、まことに味わうべきエピソードの数々である。

明治神宮の清酒菰樽

 いったい明治天皇はどんな飲み方をしていたのだろうか。今回さまざまな証言をもとに明治天皇の晩酌を再現してみた。すると、これはたしかに泥酔不可避の代物だった――。