本田がフリーキックを決めた瞬間にテレビがバチンって消えて…

――ピンと来まくっているなかで三軒茶屋へ。

矢沢 覚悟は決めてましたね。親と友人に「しばらく帰ってこれないだろうし、連絡も取れなくなると思う」って連絡を入れてから、三茶に行きました。

 で、先輩とワールドカップを見ながら飲んでいて、本田(圭佑)がフリーキックを決めた瞬間にテレビがバチンって消えて。「あれ?」と思ったら、テレビの画面に(田村)淳さんが映って、企画がスタートしたんです。

ADVERTISEMENT

――そして、連行。

矢沢 待機してたロケバスに乗せられて、目隠しとヘッドフォンをされて。その時点では、まだドキドキワクワクしてて。連れて行かれる前の淳さんとのやりとりもウケにウケてたのもあって、「これで俺も芸能人の仲間入りができるんだ」と思ってましたね。

――連れて行かれた部屋はワンルームといった感じで?

矢沢 後々になってわかったんですけど、TBSの近くにあるビルの一室で、ワンルームって感じでした。TBSから歩いて5分くらいのとこ。そこって、簡易編集室とかがあるようなビルなんですよ。ただ、部屋に入るまでは目隠し、ヘッドフォンでしたから、どこなのかまったくわからなくて。

 でも、都内だろうなあとは思ってたんですよ。

何も起こらない部屋で「出たら終了」

――なにゆえに。

矢沢 ヘッドフォンから、曲が流れていたんですよ。三茶を出発してから、曲が5回くらい流れてロケバスが止まったんです。1曲4分として5回で20分くらいなんで、「あ、これは都内からは出ていないな」と。てっきり、山とか森に連れて行かれるものだと考えていたので、ホッとしたのを覚えてますね。

 その部屋に入ってから、一切の情報を遮断された状態で暮らすようにと説明を受けて。なんか、その日はそのまま寝たんですよね。で、朝になって起きたけど特に何かが起こるわけでもなく。

 部屋には、布団と机とテーブル。テーブルの上には、日記帳とペン。ほんと、それだけ。で、何も起きず、誰とも話さず、弁当だけが定期的に支給されるんです。

 

――窓をテープで塞がれていたり?

矢沢 窓はカーテンが掛かっているだけなんですけど、「開けたら終了」と言われていて。外も見ちゃいけないんです。番組としてはどこにいるのかわかってほしくないんで。

 ドアにも鍵は掛けられていないんです。ただ、とにかく外に出ちゃいけない。やっぱり「出たら終了」なんで。

――時間や場所も情報になるからダメと。

矢沢 そうですね。すべてをシャットアウトして、スタッフも話してくれないっていう。ただ、スタッフは隣の部屋にいたんですよ。最初はわからなかったけど、隣の部屋をスタッフの待機場所として借りていて、僕のモニタリングをやっていて。おそらく、編集もそこでやっていたんじゃないですかね。