23日目に錚々たる先輩が映り、いきなり中継が
――病院に行ったことで、スタッフの対応が変わったりは?
矢沢 少し話すようになったけど、「時間あるんだからさ、筋トレやんなよ」みたいなことを言うんですよ。でも、そんな気力なんて湧かないんですよ。さらに「一日中ゴロゴロできて羨ましい」って言われたときは、けっこう来ましたね。
――企画の全容がわかったきっかけは。
矢沢 23日目に、いきなり中継が入ったんです。部屋に置かれていたモニターがバチンってついて、淳さんとその後ろにいる錚々たる先輩の方々が映って。こっちは突然すぎてわけがわからないし、心身ともにおかしくなってるからまともに喋れないんですよ。それをイジられたのが悲しくて。続けて「大塚愛さんが結婚しました。相手は誰?」とクイズを出されて「玉木宏」と即答したら、「もっと考えてから言えよ」とか怒られて。
先輩やMCに振られたら、一言で即答して、なおかつ笑いを取らないといけないって教えがNSCにあるんですよ。それで条件反射で答えるんだけど、おかしくなってるから面白いことが言えない。それも悲しくて。
3ヶ月続いた「情報原人」
――結局、「情報原人」は3ヶ月続くんですよね。
矢沢 1ヶ月が経ったあたりで、本格的に人事不省な状態になってしまったけど、もう力が入らないし、とにかく怖くて「このまま続けたら自殺するな」って思ったんですよ。それで芸人を辞めて、番組も降りようと。それを伝えたら、スタッフがワラワラと出てきて話し合いが行われて「干すぞ」「吉本もクビになるし、今後一切テレビには出れなくなるぞ」とか言われたけど、こっちも限界だったから「辞める」と言い続けて。
スタッフも絶対に折れないんですけど、そりゃ向こうも仕事だし、家族もいるわけですからね。でも、俺にも家族や大事な人たちがいるし、死んじゃったら会えない。結局、スタッフが折れて「最低でも1クール、3ヶ月は続けてほしい。辞めるなら、1ヶ月前に言って」となって。
――それで3ヶ月で終えることができた。
矢沢 すんなりとはいかなかったです。「1ヶ月前に言って」ということで、2ヶ月目に入って「辞める」と伝えたら「そんな話はしてない」「辞めてもらったら困る」「辞めるなら業界から消す」と言われて。さすがに俺もキレたけど、そこへ他のスタッフが「お前の気持ちはわかった」って割って入って、結局そこから3週間くらいで終わったんですよね。