2010年、TBSのバラエテイ番組『クイズ☆タレント名鑑』で、情報をすべて遮断された生活を送る企画「情報原人」に挑んだエッグ矢沢(38)。

 6月中旬、noteにて『テレビ番組で監禁されてぶっ壊れた俺が今思うこと』と題して当時の様子を綴って注目を集めた彼に、出演後の反響、14年を経て告白に踏み切った理由、2022年7月に起きた実家放火事件などについて、話を聞いた。(全3回の2回目/続きを読む

 

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キレられながら「お前、逃げて帰ってきたんやろ!」と言われて 

――3ヶ月におよぶ「情報原人」を終えても、周囲からは称賛の声が上がらなかったと。

エッグ矢沢(以下、矢沢) 「出られてよかったな」と言うヤツはいましたけど、「お前、逃げて帰ってきたんやろ」と言う先輩もいました。「情報原人」最後の回の収録が終わったあと、(田村)淳さんが監禁されていた部屋に来てくれたんですよ。でも、なんとなく俺に対する「こいつ、ダメだな」みたいな雰囲気が漂っていて。

 まあ、そのときに淳さんの運転手をやってた同期から「情報原人が始まった頃、淳さんはエッグのことを1年目なのにヤバいのが出てきたって言ってた」と教えてくれて。で、そいつは「それを聞いててエッグに嫉妬した」とも言ってくれたけど、「芸人としての俺って、どっちなんだろう?」って考え込んじゃいましたね。

――先輩芸人からの「お前、逃げて帰ってきたんやろ」は致命傷クラスの言葉といいますか。ズブズブと刺さったのでは?

矢沢 「お前、逃げて帰ってきたんやろ!」って、キレられながら言われたんです。その先輩は大御所で、番組プロデューサーの藤井さんとも仲が良いんですよ。これは僕の勝手な憶測ですけど、藤井さんから先輩に僕のことがそういうふうに伝わってたんだなって。

 ものすごい大御所の方から「逃げて帰ってきたんやろ!」と怒鳴られたら、こっちはなにも言い返せないじゃないですか。それに、吉本のなかでも僕がそうした烙印みたいなものを押されてしまっているってことでもあるから、悔しかったし、悲しかったですね。

監禁生活中には何度も「なすびを見習え」

――今年の6月にXやnoteで「情報原人」の件を打ち明けたのは、そうした悔しさや悲しみがあったからですか。

矢沢 告発的なことがしたかったわけでもなかったんですけど、『進ぬ!電波少年』で「電波少年的懸賞生活」をやったなすびさんが、BBCで取り上げられたじゃないですか。そのインタビューで、10年くらい前に番組のプロデューサーだった土屋(敏男)さんから謝罪を受けていたとか、いろいろおっしゃっていて。

 でも、どこかあっさりしているなと感じたんです。「情報原人」って、2代目なすび的な立ち位置を狙っていたんですよ。監禁生活中に「なすびを見習え!」って、スタッフに何度も言われていたし。そういうのもあって「もっとつらいことあったでしょう? なんで言わないの?」と思って。