〈解説〉

 アルツハイマー病を患った夫と、困難に直面しながらも夫を支える妻の日常を記録したドキュメンタリー。

 アウグスト・ゴンゴラは、チリの著名なジャーナリストだ。彼は、国民的女優であり文化大臣にもなったパウリナ・ウルティアと、自然に囲まれた古い家をリフォームし、穏やかに暮らしていた。

 その中で、アウグストが病に冒され、少しずつ記憶を失っていく。マイテ・アルベルディ監督(『83歳のやさしいスパイ』)は最小限のクルーで、2人に向けて、4年間カメラを回し続けた。ホームビデオの映像や、アウグストが取材した独裁政権時代の映像も交え、25年間連れ添ってきた2人の歩みを再構築する。第96回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞ノミネート。85分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆“採点”するのも、はばかられる記憶障害のドキュメント。夫は子供のように妻は母のように見えてゆくのが、せつない。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆無慈悲で残酷な病に対して、抑制された距離感を保持しつづけるのは難しい。作り手も生身なら、視線の揺れは許容範囲。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆夫婦間の空気が柔らかく、悲しみにも優しさと潤いがある。伴侶を失った時の恐怖や虚脱を感じるほどのドキュメント。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★☆☆個の主体とチリの歴史を往還する視座は興味深いが、「美しさ」にやや傾き過ぎか。特に音楽など甘味の添加が気になる。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★★愛満ち溢れる永遠の記憶。チリに生きる2人が辿ってきた記憶に関する迷路には緑や小鳥や猫が寄り添う。深く響き共鳴。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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配給:シンカ
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エターナルメモリー(チリ)
8月23日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開
https://synca.jp/eternalmemory/