――去り方も美しかったと。
鎧塚 長く生きればいいというものじゃないと思うんですよ。長く生きられたら幸せってわけではないなって。女房は54歳で亡くなったけど、80歳、90歳までの幸せをそこに凝縮したんですよね。1週間前まで舞台に立って、美しいまま、みんなに悲しまれながら、拍手してもらいながら逝ったと思っています。
遺言に基づいて、動物愛護活動を続ける
――2017年には「川島なお美動物愛護賞」を創設されましたね。愛犬家としても知られていた川島さんは、ボランティア団体であるエンジン01(ゼロワン)文化戦略会議の「動物愛護委員会」の一員としても活動されていました。
鎧塚 遺言に基づいて、女房の尊敬する人達の力も借りながら創設した賞です。生前からずっと、「イヌとネコの殺処分ゼロを目指して頑張る」「もし私に何かあったら遺した物で動物愛護の方を応援してほしい」と口にしていました。
――川島さんの遺したワインでチャリティーオークションを実施したところ、300万円の資金が集まり、さらに鎧塚さんが200万円を加えて、無事設立に至ったと。
鎧塚 毎年開催することができていて、今年で9回を迎えました。受賞いただいた方々が賞の価値を高めてくれていると感じています。動物愛護への理解を深めるきっかけになるよう、生涯続けていくつもりです。
女房の思いを継ぐことが僕の使命だと思うし、「川島なお美」と名前がついた賞が今も残されていることは、女房も喜んでいるんじゃないかな。
あと、7月3日はナオミ(703)の日って、女房がずーっと言い続けていたので、それ日本記念日協会に申請して、7月3日を「NAOMIの日」として正式に記念日に認定してもらいました。
ただ、そういうことをしたり、いろいろ話をしていると、悪く言う人もいるんですよ。かといって、「永遠の愛」とか「夫の鑑」とか持ち上げられるのもイヤですけどね。「まあ、頑張っていらっしゃるみたいで」くらいのほうが楽ですよね。
また、彼女でもできたら「この裏切り者が」とか言われるだろうしね。特に文春さんが、そういうこと書くんですよ(笑)。
