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45周年のとき、ひろくメディアに拡散された、メンバーの集合写真である。全員スーツ姿でフォーマルといえばそうだが、ネクタイは緩めであり、先ほどの桑田の「気楽な気持ち」も伝わってくるものだった。
メンバー5人の“理想的な形”
「あの写真は、原さんが真ん中に座っているんだけど、それがメンバー5人の位置関係としても、すごく“理想的な形”に思えてね。今のサザンオールスターズを説明するうえでも、いちばん分かりやすいんじゃないかと。原さんという女性を中心に、みんなで自然に前を向き、微笑んでいる、あの姿がね」
デビュー以来、サザンオールスターズはバンドの宿命とも言える集合写真を、何千、何万枚と撮影してきたことだろう。コミックバンドと間違われた初期は、おどけたポーズを求められた。音楽が認知され自信が出てくると、カメラに正対した堂々としたものへ変化した。楽曲コンセプトに合わせ、コスプレをしたこともあるし、世の中のモードも移り変わり、表情ひとつにも、齢とともに思慮深さが加わった。そして今、サザンオールスターズは、この一枚の写真へと至ったのだ。
ところで本書を書き終えようという時、桑田からメッセージが届いた。それは正直すぎるほどの文面で、読みようによっては、「そんなことないですよ、桑田さん」と、思わず声をかけたくなる内容だった。でも、最後に原文のまま、掲載させていただくことにした。