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「受験に集中させるために学校を休ませる」はNG
娘のスケジュールを見て、朝が早いことに驚かれたかもしれません。早朝から勉強していた理由は、朝の方が効率よく脳が働くということと、受験本番を意識していたからです。
合格するためには、本人の実力はもちろん、脳の処理速度も重要です。受験では、制限時間内にできるだけ多くの問題を正確に解くことが求められ、正答率が高い人から順に合格が決まります。つまり、脳の中に詰め込んだ知識をいかに素早く取り出し、アウトプットできるかが問われているわけです。
どれだけ知識をインプットしても、試験中に脳が上手く働かず、時間切れになってしまうようでは合格できません。ですから、試験が行われる時間帯に脳を万全な状態にもっていく必要があります。となると、夜中の2時や3時にいくら勉強がはかどったとしても、その時間に試験が行われなければ意味がありません。
多くの学校では試験は午前中からお昼にかけて行われますから、ちょうど学校で授業を受けている時間帯に、頭がすっきりと働く状態になっていることが理想です。子どもの中学受験を控えた親御さんの中には、6年生の1月になると、受験勉強に集中させるために学校を休ませる方が多くいます。
「受験が終わるまでは夜遅くまで勉強させ、その代わり朝は少しゆっくり寝かせてあげています」というような話を聞きますが、自ら進んで試験本番で脳が働かない生活リズムを選んでいるようなものです。
成田 奈緒子(なりた・なおこ)
文教大学教育学部教授、子育て支援事業「子育て科学アクシス」代表
小児科医・医学博士・公認心理士。1987年神戸大学卒業後、米国ワシントン大学医学部や筑波大学基礎医学系で分子生物学・発生学・解剖学・脳科学の研究を行う。臨床医、研究者としての活動も続けながら、医療、心理、教育、福祉を融合した新しい子育て理論を展開している。著書に『「発達障害」と間違われる子どもたち』(青春出版社)、『高学歴親という病』(講談社)、『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』(共著、講談社)、『子どもの脳を発達させるペアレンティング・トレーニング』(共著、合同出版)、『子どもの隠れた力を引き出す最高の受験戦略 中学受験から医学部まで突破した科学的な脳育法』(朝日新書)など多数。
文教大学教育学部教授、子育て支援事業「子育て科学アクシス」代表
小児科医・医学博士・公認心理士。1987年神戸大学卒業後、米国ワシントン大学医学部や筑波大学基礎医学系で分子生物学・発生学・解剖学・脳科学の研究を行う。臨床医、研究者としての活動も続けながら、医療、心理、教育、福祉を融合した新しい子育て理論を展開している。著書に『「発達障害」と間違われる子どもたち』(青春出版社)、『高学歴親という病』(講談社)、『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』(共著、講談社)、『子どもの脳を発達させるペアレンティング・トレーニング』(共著、合同出版)、『子どもの隠れた力を引き出す最高の受験戦略 中学受験から医学部まで突破した科学的な脳育法』(朝日新書)など多数。