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――日本では政治の話をすると煙たがられる雰囲気も強いですが、韓国ではもっと身近にあるものなんですね。

カン監督 そうですね。なので政治的なモチーフに抵抗があるというより、自分ごととして捉える人が多いと思います。私は今61歳で、韓国が民主化した時は24歳でした。私の両親の世代は民主化闘争の中心にいた世代ですし、そういうテーマの作品にはどうしても関心を持ちますね。

主演は「カル」などで知られるハン・ソッキュ ©Samsung Entertainment

 日本は民主化をしてから約80年ですから、政治との距離が違うとすればその影響はありそうですよね。

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「アニメ映画の興行収入は体感で倍くらいになっている」

――韓国でも、若い世代になると政治との距離が遠かったりするのですか?

カン監督 やっぱり違いはありますね。特にMZ世代(1980年~2010年頃生まれ)と呼ばれる今の若者は、韓国でも関心の対象も多様化していて、政治や歴史に対する関心は低めだと思います。30代あたりに境目がある感じがします。

©Samsung Entertainment

――日本でも世代によって政治への関心度が違いますが、その一方、映画の人気傾向を見ると、日本では大人世代も含めてアニメ作品が圧倒的に強く、ランキングの上位ほとんどを占めています。そういった状況を監督はどう思いますか。

カン監督 実は、世界中で人気になる映画の傾向が気になって、パターンを調べてみたことがあるんです。それでわかったのは韓国を含めて世界中の映画を見る観客が好む傾向が変わってきていることで。中でも顕著なのがアニメーションの躍進です。

 韓国は実写映画が強い国ですが、それでも10年前と比べればアニメ映画の興行収入は体感で倍くらいになっていると思います。10年前なら200万人が見そうなアニメ作品をいま出したら500万人くらい動員しそうです。

――それはどういうことでしょう。