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「そんな中でも、ちゃんと粘っていきたいですね」

――実際に復帰してみて、今後はもっと映画を撮っていけると感じましたか。

呉監督 映画はこれからも撮り続けたいですが、ものすごく大変なので、心から撮りたいものを厳選し撮っていくことになるのかなと。『ぼくが生きてる、ふたつの世界』のように3週間で撮影する映画は他にもありますが、期間が短ければ制限はどうしても発生します。そんな中でも、ちゃんと粘っていきたいですけどね。

――でも『ぼくが生きてる、ふたつの世界』は繊細な映像で、3週間で撮ったとは思えなかったです。

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呉監督 自分の中では、終始迷いながらの作業でした。忙しすぎて思わず息子たちに強く当たってしまったこともあります。申し訳ない限りです。少しずつ手が離れてホッとする反面、ベッタリ甘えられていた頃を思い出して寂しくなったり、勝手ですよね(笑)。

©文藝春秋

――これからも、家族と仕事のバランスを取りながら進んでいくことになりそうですね。

呉監督 執念で2人目を産み、執念で映画に戻ってきましたが、それでも「待ってたよ」と言ってくれる人がいて、すごく贅沢な人生を送らせてもらっているなと。苦しいこともありましたが、全て無駄な感情ではなかったなと、これまでを振り返り実感しています。

『ぼくが生きてる、ふたつの世界』

監督:呉美保 脚本:港岳彦 主演:吉沢亮

出演:忍足亜希子 今井彰人 ユースケ・サンタマリア 烏丸せつこ でんでん

原作:五十嵐大「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」(幻冬舎刊)

企画・プロデュース:山国秀幸 手話監修協力:全日本ろうあ連盟

製作:「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会(ワンダーラボラトリー/博報堂DYミュージック&ピクチャーズ/ギャガ/JR西日本コミュニケーションズ/アイ・ピー・アイ/アミューズ/河北新報社/東日本放送/シネマとうほく)

©五十嵐大/幻冬舎 ©2024「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会

配給:ギャガ

9月20日(金) 新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー