1ページ目から読む
5/5ページ目

社会変化を夢見て

 振り返ってみると、カマラ・ハリス大統領候補のヒラリー・クリントンによる女性たちのバトンをつなぐ応援演説に始まり、女性大統領候補の夫や息子が新しい男性像、家族像を、そして副大統領候補のティム・ウォルズ氏がやはり新しい家族像を語るなど、アメリカの変化、そして変化を受け入れるエネルギーを表す民主党大会だったと思うのです。

 すでに変化は起きている、変化は起きているときには気付かないが、振り返るとそこには前よりも良くなった世界がある。でもそれで終わりではなく、まだ今は未来を見通せずとも前進は続いていく。もちろん、変化を実感できるまでには時間がかかる。それでも社会の変化を夢見て、ソーシャルジャスティスの種をまいていくことには価値があると思うのです。

 最後に『ソーシャルジャスティス』から次の一節を引用させてください。

 国によって異なる時間が流れていて、それぞれの背負う背景も置かれた状況も異なりますが、どの社会も前進を止めないでほしいと思います。気付くことが第一歩。気付きを声にしてみることが第二歩。その気付きの声が共鳴するたびに、社会の歌が生まれます。その歌が社会をさらに前進させる。日本はもしかしたら変化を感じにくいムードに覆われているかもしれませんが、まずは自分の思いに正直に耳を傾け、その思いが社会とも無縁ではないと信じてみること。それがソーシャルジャスティスの種になり、そこから未来の分断を超える変化が育つのだと信じています。

 私もまた自分のために、社会のために、未来のために何ができるのか。誰かのためになる小さな一歩でも前に進む種まきの手助けができたら光栄だと願っています。