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ビジュアルや基本のゲームシステムはそれなりに優れているが…

 先述した通り、『聖剣V』のとにかく明るく描写された世界と、アニメ調のかわいらしいキャラクターたちのビジュアルは明確な長所だ。昨今のビデオゲームの流行にも乗れているだろう。

『聖剣伝説 ヴィジョンズ オブ マナ』画像はSteamより

 とはいえ、主役級のキャラクターではないNPCは明らかに表情が固く、そもそも口が動かなかったり、省力化が明白である。だが、それでも本作のビジュアルは目を引くクオリティといえる。

 昨今は、RPGをオープンワールド化する試みが定番の手法となりつつある。本作もその流れを汲み、セミオープンワールド形式(すべてが地続きではないものの、広いマップがあるシステム)を採用。やや広めのフィールドでの探索が楽しめる。

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 落ちているアイテムや宝箱は常にヒントが表示されており、思わず拾いたくなるような仕組みに仕上がっている。つい本筋を忘れて寄り道をしてしまった、という人も少なくないはずだ。

『聖剣伝説 ヴィジョンズ オブ マナ』画像はSteamより。なお、本作の開発は、中国の大手ゲーム開発・運営会社ネットイースの「桜花スタジオ」が担当している。

 また、作品によって例外はあるものの「聖剣伝説」シリーズは、3人の仲間で冒険するシステムがひとつの特徴となっている。『聖剣V』も仲間が一緒に戦うので適度にわちゃわちゃしてくれ、役に立たないこともなく、目立ちすぎることもなく、ほどよい活躍をしてくれる(一部のボスでは例外だが)。シリーズ恒例の「クラスチェンジ」システムなどもあり、バトルシステムもそれなりに整っているといえよう。

 こうした点から「良い作品でよかったね」と終えられればよかったのだが、『聖剣V』は日本のRPGが進化するうえでの問題を抱えた作品でもある。