(全3回の2回目/#1#3を読む)

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まだ住所は別々、適度な距離で暮らせています

 翌朝10時、二日酔い気味の東出さんとカメラマンが揃い、取材が始まった。夫と子供はバンガローで留守番である。東出さんは、「なんでも、聞いてください。答える答えないは別として」とほほ笑む。東出さんが入れてくれたアイスコーヒーを一口飲み、ICレコーダーを回し始めた。

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――この度はおめでとうございます。現在は花林さんと一緒に暮らしている?

「一緒の時間もありますが、まだ住所は別々です。彼女は昨年、こちらに移住した時に自分で借りた一軒家に住んでいて、僕の家からは車で5分ほど。結婚したといっても、お互い共依存にはならず、適度な距離で暮らせています。まだ籍も入れてないですしね」

©︎文藝春秋/釜谷洋史

――入籍はこれから。

「具体的にいつというのは決めていません。何事もあまり決めすぎないで、分からないことも楽しみたいなと。でもまあ、1年以内のどこかで入れるんだろうとは思っています」

最初は恋愛感情はなかったが…お付き合いをするようになった理由

――出会いはいつ頃?

「2年ほど前に、ある映画の撮影現場で一緒になりました。彼女はもともと山での暮らしに興味があって、『コロナでマタギ体験ツアーがなくなって残念』と話していたので、『じゃあ山にくれば』と。僕の山には先輩後輩問わず、いろいろな方が遊びに来てくれますが、彼女もその一人でした」

再婚相手の花林さんと

――最初は単なる先輩、後輩で恋愛感情はなかったけれど、今年になってお付き合いを始めたと。

「そうですね。しーちゃん(愛犬)を預かってもらったり、手料理をいただいたりするうちに……。まあ僕らも『付き合いました#両思い』みたいな年齢じゃないので(笑)。なぜ付き合うのかって考えた時に、それは他者がいるからと思うんですよね。地域の方々との関わりがある中で、『お前ら二人どうなってるだ?』と言われた時に、仲がいいのに『付き合ってません』っていうのも気持ち悪いし。だったらちゃんとお付き合いしているという形で、周りの方々にも言おうと」

――彼女のどういうところに惹かれたんでしょう?