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運転士の仕事は「新幹線の指示速度に合わせるゲーム」なのか
列車の運転士は飛行機の操縦士と同じかそれ以上に花形職業だった。自らの技量を発揮して巨大な列車を高速で走らせる部分も仕事の魅力だったことだろう。
しかし安全と正確を突き詰めて、人間がミスする部分から徐々に自動化を進めた結果、運転士の仕事は「新幹線の指示速度に合わせるゲーム」に近づいている。機械が主で、人間はその補助というのが現状だ。
行政改革の中には「民間にできることは民間に」というスローガンがあった。OA(オフィス・オートメーション)も、「機械にできることは機械にやらせよう。人はもっとクリエイティブな仕事をすべきだ」という考え方だ。
鉄道の現場も「機械にできることは機械に」という考え方が主流になりつつあるようだ。
CNN日本版が2017年8月10日に公開した記事「操縦士なしの飛行機、3.8兆円の経費削減も乗る人いる?」によると、航空機はコンピューターの支援による自動化が進み、操縦士が手動操作する時間は平均で10分間以下だという。
しかもパイロットが操作する10分間というのはほとんどが「離陸はパイロットが行う」というルールを守るためだけの時間で、技術的には完全自動運行も可能だという。
鉄道においても、JR東海が「運転士が乗務したうえでの自動運転」を目指しており、JR東日本は無人運転をゴールとして研究開発を実施している。
あなたが乗った新幹線列車が、実は自動運転だった。そんな未来が近づいている。