大人になって気づいた「母はフェミニスト」
――専属モデルをされていた『ViVi』では、フェミニズムについての発信もされていました。
藤井 大人になってから、「母はフェミニストだったんだ」と気づくことがあって。
小さいとき、渋谷駅で口論しているカップルに遭遇したんですけど、男の人が女の人の腕をガッと掴んでて。そうしたらお母さんが「何してるんですか!」と、走って男の人を止めに行ったんです。で、その後に男の人を交番に連れて行ったんですけど、それと似たようなことが2、3回あったんですね。
――お母さんが女性を助けるようなシーンを何度も目撃されていたんですね。
藤井 そうです。他にも、電車で盗撮している人に「やめなさい!」と注意していたこともあります。
そういうお母さんの背中を見て育ち、自分もフェミニズムのことを勉強しはじめたとき、「お母さんはフェミニストだったんだ」と、気がついた感じです。
“社会派モデル”として二刀流で
――パートナーにはジェンダー平等の人を求める?
藤井 もちろんですね。海外では、マッチングアプリのプロフィール欄に、「自分は何党を支持してます」とか「フェミニストです」みたいな思想に関する項目があるんですよ。でも、日本はたぶんないですよね。あればいいのに、と思います。
――となると、相手がジェンダー平等な人かどうかはどう見極める?
藤井 付き合う前にそういう話をするのはすごい大事だなと思って。昔、フェミニズムの話をしたら、相手の人に「フェミニストはだいたいブス」って言われて、「この人ヤバっ」となりました。
さすがに最近はあんまり見かけないですけど、女性を下に見るような人って、「女は~」と言ったり、「料理はしてもらわないとな」みたいな発言がサラッと出てくるから、ワード選びでなんとなく分かる気がします。そういう人とは友だちにもなれないですね。
――社会問題にコミットして何か変化を感じますか。
藤井 「生理について今まで話しづらかったけど、サチちゃんがオープンに話すことで私も友だちと話せるようになりました」みたいなコメントをもらえると、自分の存在意義を感じるというか、続けてきてよかったなって思います。
ずっと肩書にとらわれていた自分もいて、頭でっかちな人になりたくないと思ってたんです。でも、『ViVi』といった媒体を通じて発信することは、むしろ私にしかできないことじゃない? と思ったら、ありのままでいいんだなと思えるようになりました。今後も“社会派モデル”として、二刀流でやっていきたいですね。
写真=深野未季/文藝春秋
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