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・衆院選10月27日の見方拡大 政府、1日国会召集を伝達(9月12日共同通信)

 臨時国会を10月1日に召集する方針というもの。

《自民内には、新首相誕生の勢いを維持したまま、速やかに衆院選を実施する日程に期待の声がある。》

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総裁が誰になるかわからないのに、衆院選の手際がやたら良い

 これは総裁選の告示日のニュースである。まだ誰が自民党の「顔」かわからない。しかし衆院選は速やかにできるようやたら手際が良い。

 どこか既視感があると思ったら話題のNetflixドラマ『地面師たち』だ。土地の所有者になりすまし、土地を売る契約を速やかに迫る地面師たちのあの手口である。新総裁誕生という“刷新感”があるうちにさっさと衆院選をやってしまえという「自民師たち」に見えてきた。

 あれ、国会論戦は? 裏金問題は? と問われようものなら「もうええでしょう」と言いそうな勢いである(ドラマの中で法律屋役であるピエール瀧がピンチを切り抜けようとするときのセリフ)。

 実際、「裏金問題、もうええでしょう」という認識があらわになった記事があった。石川県の北國新聞が掲載した森喜朗インタビューが凄かったのだ(9月16日)。

萩生田光一前政調会長 ©時事通信社

 森氏は「うちの派(旧安倍派)の連中は苦しんでいる」との前置きから、《萩生田(光一前政調会長)さんとはいろいろを話している。今はつらいだろうが、ここを乗り越えてこそ大成できる」と伝えている。》と語っていた。

 まるで萩生田氏が事故にでも遭って耐え忍んでいるかのような言い方だ。萩生田氏は政治資金収支報告書に不記載の裏金額が計2728万円(5年間)もあったことが明らかになったわけで被害者でもなんでもない。森氏の認識も凄いが「不記載」「裏金」の文字を一切使わずにこの記事を書く北國新聞も凄かった。

 しかし森喜朗の願いもむなしく、翌日にまた萩生田氏にスポットライトが当たってしまう。