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『安倍氏、旧統一教会会長と面談か 13年参院選直前 総裁応接室 萩生田氏・岸氏も同席』(9月17日・朝日新聞)

 朝日新聞のスクープである。1面に載せた写真には旧統一教会の会長らと記念撮影する当時の安倍首相のほか、萩生田氏もバッチリ写っていた。

 これまで「党として教団との組織的な関係はない」と繰り返してきた自民党だが、互いのトップと幹部が選挙協力のための面談をしていた濃厚な証拠が出たのである。

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旧統一教会の韓鶴子総裁 ©Sipa USA/時事通信フォト

 22年7月の安倍氏銃撃事件をきっかけにおこなわれた、教団側との接点の調査については議員の自己点検に委ねられた。安倍氏は点検の対象外とされ、岸田文雄首相は国会で「お亡くなりになった今、確認するには限界がある」と調査自体を拒んできた。

 しかし今回の写真と記事である。複数の関係者は「4日後に公示を控えた参院選で、自民党比例区候補の北村経夫・現参院議員を教団側が全国組織を生かして支援することを確認する場だった」と話している(同前)。

「裏金」と「旧統一教会」の“二刀流”がクローズアップされた萩生田氏

 萩生田氏は朝日新聞の取材に対し、「私です」と写真の人物が自分であることを認めた。一方で記録も記憶もなく、北村氏の選挙支援について話をしたかも「わからない」という。「今はつらいだろうが、ここを乗り越えてこそ大成できる」と森喜朗に言われた萩生田氏だが、あらためて「裏金」と「旧統一教会」の“二刀流”がクローズアップされたのだ。

 総裁選の時期に旧統一教会問題をぶつけてきたのは朝日の意地悪ではなく問題提起だろう。それより私が注目したのは安倍首相らが教団に票の依頼をしたという北村経夫氏について「元産経新聞政治部長の北村氏」と朝日が強調していたことだ。

 翌日の記事では「元産経新聞政治部長の北村氏は初めての選挙で知名度に乏しく、票の積み上げが必要とされていた」とまたも丁寧に書いていた。朝日新聞の意地悪を言うならこっちである。産経新聞はイライラしているに違いない。