草彅剛主演のドラマ作品で主題歌に用いられたSMAPの楽曲が、大ヒットになることもしばしばです。フジテレビ系『いいひと。』では「セロリ」、同じくフジテレビ系『僕の生きる道』で「世界に一つだけの花」、そして日本テレビ系『フードファイト』で「らいおんハート」などなど。
また、マネージャーの飯島さんは映画や歌などカルチャー全般に明るく、各ジャンルの昔の名作をたくさん知っています。そうしたインテリジェンスを反映した作品を実現させたいと思ったとき、剛さんで実現することが多かった気がします。
テレビドラマなら2006年の『愛と死をみつめて』(テレビ朝日系)や、移民をテーマにした2010年の『99年の愛~JAPANESE AMERICANS〜』(TBS系)。映画でも2008年の石井克人監督作品『山のあなた~徳一の恋~』など、他の役者さんもやらなかった作品に挑戦し、新たな名作がたくさん生まれました。
こうしたもろもろを踏まえふりかえってみるに、SMAPの救世主はずばり草彅剛だったと、僕は思います。
「謝罪放送」で「いま、僕らはここに立てています」を誰が言うか
草彅剛さんがSMAPの肝心なときに決定的な役割を果たすのは、あの「謝罪放送」のときも同じでした。
2016年1月18日、『SMAP×SMAP』の番組内で、解散騒動について生放送で謝罪をおこなうという事態が起きました。
生放送部分のセリフはもちろん事前に決めていましたが、生放送前に急遽、プラスで入れなければいけない言葉ができました。「いま、僕らはここに立てています」という言葉をメンバーに言ってもらわなければいけなくなった。
このことは小説『もう明日が待っている』にも書きましたが、思い出しながら書いてる時はもう心臓を掴まれているような気持ちになった。
このセリフをメンバーのだれが言うかで、スタッフは悩みに悩みました。とても辛い役。けれど、だれかが果たさなければなりません。
僕らスタッフが、そのひとことを言ってもらえないかと頼みに向かったのは、草彅剛さんのもとでした。彼の優しさと責任感の強さに、僕らは甘えてしまうしかなかったのです。