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「どんな憎まれ口をたたこうと、文句を言おうと、少しでも食べてくれたときのことが、ずいぶん懐かしく思った。母(嘉子)から見れば、私はできの悪い娘で、心配ばかりかけた親不孝だったけれど、最後にあれだけ好き勝手を言い、甘えてくれたことで、私は満足している」(『追想のひと三淵嘉子』)

嘉子さんは、本当に人に恵まれた良い人生を過ごしました。

後編に続く

佐賀 千惠美(さが・ちえみ)
弁護士
1952年、熊本県生まれ。1977年、司法試験に合格。1978年、東京大学法学部卒業。最高裁判所司法修習所入所。1980年、東京地方検察庁の検事に任官。1981年、同退官。1986年、京都弁護士会に登録。2001年、京都府地方労働委員会会長に就任、佐賀千惠美法律事務所を開設。著書に著書に『刑事訴訟法 暗記する意義・要件・効果』(早稲田経営出版)、『三淵嘉子・中田正子・久米愛 日本初の女性法律家たち』(日本評論社、2023年)、『三淵嘉子の生涯~人生を羽ばたいた“トラママ”』(内外出版社、2024年)